2024年12月9日公開
最終更新日:2024年12月10日
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
近年では商品やサービスを購買する顧客の行動の変化、企業における営業活動や働き方の変化などの背景に伴い、インサイドセールスという考え方や職種にとても注目が集まっています。
本記事ではこのインサイドセールスについて、基本知識から実際の業務内容、大変な面ややりがいなどをまとめて解説!
各項目では、さらに詳しい記事へのリンクも掲載していますので、これからインサイドセールスへの転職を目指すという方も、現在活躍している方もぜひ参考になさってください。
「インサイドセールス」という概念や職種に注目が集まる背景
具体的な職種の話へ入るまえに、まずはインサイドセールスを取り巻く状況について簡単にご紹介します。
インサイドセールスの発端は「アメリカの広大な国土」での営業活動
営業手法のひとつであるインサイドセールスは、1990年代に米国で発祥したといわれています。アメリカは、ひとつの国内で時差が存在するほどに、とにかく広大な土地があって各地に国民が居住しています。そんな国土の中にあって、企業がフィールドセールスだけですべての潜在顧客に対する営業活動を行うことは現実的ではなく、また可能な範囲で営業活動を行うにしても、行ける範囲にいる潜在顧客が必ずしも確度の高い顧客ではないという面から、非効率になるという状況がありました。
そういった背景から、インターネット網が一般化するよりもはるか前から、電話などの遠隔手段での営業アプローチを始めていたのです。
時代の移り変わりによる働き方・働く環境の変化
現代では労働環境の質の向上、生産性の向上を目指す働き方改革という考え方や、働く人の理想の生き方・在り方を提唱するワーク・ライフ・バランスという概念が一般化しています。
あわせて近年のコロナ禍という状況も手伝い、場所に捉われない働き方であるリモートワーク(テレワーク)を導入する企業も大変多くなりました。
これらの状況につれて、リモートワークと相性がよく、また顧客と物理的に距離が離れていても実現できる営業手法であるインサイドセールスが浸透しています。
少子高齢化による労働力不足
少子高齢化の問題は、日本のみならず世界的に深刻化しており、それにつれて必然的に労働人口も減少しています。
現時点ですでに人手不足に悩んでいる企業や、今後に備えて最大限の業務効率化を行っておきたい企業などにとっては、システムのIT化やAIの導入などの選択肢とあわせて、営業手法のインサイドセールス化、あるいはフィールドセールスとインサイドセールスとの分業化などが有効な選択肢となっています。これは訪問型・対面営業の場合のひとりの従業員が一日で対応できる顧客数と比較して、インサイドセールスのほうが格段に多くの顧客と接点を持てるためです。
顧客の購買プロセスの変化
インターネットが普及し、老若男女問わずとても多くの人々が日常の一部としてごく当たり前にネットを活用している時代です。
更にスマートフォンの爆発的な普及という状況も手伝い、商品やサービスを購買する消費者は自らが情報収集を行って製品の性能、サービスの内容、価格などを比較しながら買うもの・利用するものを選んでいます。
このような、現代の購買プロセスの大半を占める「インターネットでの情報収集」の間に、企業側が見込み顧客とのタッチポイントを創出して割り込めるのがインサイドセールスなのです。
商品やサービス自体でも顧客との接点がオンライン・非対面化
近年ではITソフトウェアが軒並みクラウドサービス化・サブスクリプション化していることはもとより、例えば物理的な商品を販売するビジネスであっても、インターネット上で定期購入を受け付けて顧客宅まで配送するといったように、多くの商品・サービスで顧客との接点が非対面化しています。
このようなビジネスの状況下にあって、例えばアップセル(上位サービスの提案)やクロスセル(関連する他商品の提案)だけを訪問営業で行うというのは現実的ではありません。
非対面営業手段であるインサイドセールスは、現代のビジネスに適応するための自然な手段でもあるのです。
ITツールでの業務効率化
現代では、CRM(顧客関係管理)ツールや営業支援ツールなど、業務で活用する顧客情報などの情報源がそもそもシステム化しています。それらの情報を、スマートフォンやタブレットで閲覧しながら対面営業で活用するというのも依然有効ではありますが、インサイドセールスはそれらのITシステムとより親和性が高く、様々なシステム連携をさせて業務効率化しやすい営業手段です。
▼こちらの記事でも、インサイドセールスに注目が集まる背景や将来性について詳しく解説しています。
https://9e-career-insidesales.com/articles/column/knowledge/53
そもそも「インサイドセールス」とは? 言葉の意味や定義と役割
インサイドセールスとは自社の商品やサービスを売り込む目的を持つ、営業活動手段の一種であり、またその手段や考え方をもちいて実際に営業活動をおこなう部署のことや、属するメンバーの役割についても「インサイドセールス」と称することが一般的になっています。
マーケティング / 営業活動の一種
一般的な企業における様々な例のなかには、マーケティング部門とインサイドセールス部門が分かれている場合と、ひとつの部門の中でふたつの役割が稼働している場合があります。
いずれの場合でも、インサイドセールスという役割で主に行なうのは、営業活動です。
部門が分かれている場合にはマーケティング部門でまず見込み顧客を獲得したのち、顧客対応がインサイドセールスへ引き継がれます。インサイドセールスではその顧客と関係性を構築し、確度の高い見込み顧客へと育成します。
企業によっては、マーケティングの段階からインサイドセールスが担当し、そのまま商談や成約までを担うケースもみられます。
訪問営業ではなく、メールや電話・オンラインなど遠隔手段を用いる
役割や部門名が「インサイドセールス」と称される大きな条件として、営業活動は遠隔手段を用いて行われる、という点があります。
メールや電話、自社サービスサイト上でのチャット対応といった非対面での活動のほか、ZoomなどのWeb会議ツールを活用した間接対面での活動も含まれます。
対面営業への引継ぎを前提とした見込み顧客育成を担う場合も
インサイドセールス部門とフィールドセールス部門が両立しており、それぞれで役割分担を行なっている企業の場合には、インサイドセールスがまず遠隔営業で顧客との充分な関係性を構築し、成約の確度を上げておいてから、フィールドセールスの担当者へ引き継ぐといった方法がよくとられています。
獲得済の既存顧客へも積極的に接点を持つ
既に自社のサービスや製品を利用・購入してくれている顧客に対しては、カスタマーサポートやカスタマーサクセスといった、インサイドセールスとは別の部門が対応を行なうことが一般的です。
ただし、企業によってはその役割もインサイドセールスが担っているということがあり、その場合には既存顧客に対して、ロイヤリティを高めるための密接な関わりを目指したり、状況に応じてアップセルやクロスセルを働きかけたりします。
日本におけるインサイドセールスの普及
世界的に導入が進んでいるインサイドセールスですが、日本で就職先や転職先を探している方々にとって、やはり気になるのは日本国内での状況でしょう。
営業現場の売り手の半数近くが「インサイドセールス」を意識
CRMツールや営業支援ツールの提供、およびそれらを活用したビジネスの支援をおこなっている「HubSpot」社が2024年に公開している「日本の営業に関する意識・実態調査2024(※1)」では、国内の営業現場における売り手側(営業活動をおこなう側)の47.4%が「インサイドセールス」について認知しているという結果となっています。
また、売り手全体の41.7%が、すでにインサイドセールスを導入済という結果も出ています。
営業分野への転職をしたい人にとっては、転職先として検討する様々な企業の中にも、インサイドセールス部門がすでに存在しているという可能性がおおいにあります。
また、未導入の企業のなかでもインサイドセールスへの意識が多くみられることから、今後インサイドセールス部門を設立するために求人を出す企業もあるでしょう。
※1 出典:HubSpot「日本の営業に関する意識・実態調査2024」
旧来の営業の仕組みからの切り替えに苦労しているケースも
特にインサイドセールスを新設したばかりの企業では、従来から採用していた訪問型主体の営業スタイルからの切り替え、あるいは分業体制へスムーズに移行できていない事例もみられます。
インサイドセールス導入の動き自体は今後も続くと見込まれるため、その際に企業が求める人材は「スムーズな業務確立を助けてくれる、インサイドセールスの知識やスキルを持っている人材」だと考えられます。
そのため、今のうちに思いきってインサイドセールスの世界へ飛び込み、スキルを蓄積しておけば、さらなるキャリアチェンジ・キャリアアップの機会を得られる可能性があります。
企業がインサイドセールスを導入することのメリット
企業にとってのインサイドセールスのメリットを知っておくことは、インサイドセールスの職種へ転職する際の自己アピールにも、転職後の活躍のうえでも有用です。
営業活動の効率化
非対面営業が主体となり、またITツールを最大限に活用しやすく一度にたくさんの見込み顧客と接点を持てるインサイドセールスは、企業の営業活動効率化に大きく貢献します。
また旧来からあるフィールドセールス部門にとっても、インサイドセールス部門が顧客との関係性を事前に深く構築してくれていることによって、フィールドセールスならではの役割のみに集中できるようになり、業務を効率化できるのです。
営業効果の最大化
フィールドセールスとは比較にならないほど多くの顧客へアプローチでき、また同じ顧客に対して段階を分けたこまめなアクションも容易におこなえるインサイドセールスは、機会損失の防止につながります。
また、メールや電話、Web会議といった様々な手段から顧客が好みやすい手段を柔軟に選択しつつ、コミュニケーションを複数回に渡ってとりやすいため、課題の聞き取りやニーズの抽出も深いところまで行ないやすく、有効商談の創出や見込み顧客への継続的なアプローチが可能です。
営業コストの削減
インサイドセールスは社内やリモートワークなど、顧客から物理的な距離が離れている場所で行なえる営業活動です。
そのため、フィールドセールスの場合に必要となる移動時間、交通手段の経費など様々なコストを削減可能です。
▼企業がどのようにインサイドセールス部門を立ち上げていくかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。企業視点で詳しく知りたい方や、管理者・マネージャークラスや教育担当者を目指す方はぜひ参考になさってください。
インサイドセールスの立ち上げを4ステップで解説! 流れや失敗事例、成功させるポイントとは
インサイドセールス担当者が担う役割
実際にインサイドセールスという職種に就いた場合、営業活動においてどのような役割を担うことになるかをチェックしておきましょう。
詳しくは、関連記事へのリンクも掲載しておりますのでぜひ合わせてそちらもご覧ください。
マーケティング状況の把握
一般的なインサイドセールスの役割として初めのとっかかりとなるのが、マーケティング部門からの見込み顧客リストの引継ぎです。この時点では、例えば顧客の属性や行動、居住地域や趣味嗜好、購入意欲の高さなどによる分類や選別まではされていない、単に収集順に並んだ顧客データリストとして受け渡されるケースも多いでしょう。
見込み顧客の選別
インサイドセールス担当者は前述のデータ群を基に顧客情報を分類しつつ、インサイドセールス部門での運用ルールや担当者自身の方針を適用しながらアクションをとる優先順位を明確に決定していきます。
見込み顧客との関係性構築
選定したそれぞれの顧客グループの状態に合わせて、各グループが将来的な成約に向かうよう、具体的なアクションをとって見込み顧客との関係性を構築していきます。
成約の確度向上
見込み顧客と関係性を構築していくなかで、対象の成約の確度を高めていくために様々なアクションを行ないます。
アクションの手段や内容は、顧客の段階ごとにメールでの自社製品紹介や、リアクションへの迅速な対応、電話でのセミナー・イベントへの招待、Web会議ツールでの課題認識すり合わせやそのためのアポイントなど多岐にわたります。
クロージング、もしくはフィールドセールスへの引継ぎ
成約の確度を充分に高められたとみられる段階で、もしインサイドセールスがクロージングも担う企業(や商品の種類)であった場合には、そのまま契約手続きや導入支援といったクロージング活動を行います。
フィールドセールスとの分業制であった場合には、多くの場合クロージングはフィールドセールス担当者が行います。
▼様々な役割とインサイドセールスの違いについては、こちらの記事もぜひ参考になさってください。
フィールドセールス(対面営業)との役割分担はどのように行われる?
インサイドセールスとフィールドセールスの分業の仕方としては、一般的にはっきり「分業型」と呼ばれるかたちであれば、以下のような部分だけをインサイドセールスが担当します。
・関係性構築、見込み顧客の育成(マーケティングも担う場合は見込み顧客獲得から)
・顧客の課題抽出、自社商品提案
・成約の確度向上
はっきりとした分業型ではなく「協業型」と呼ばれるかたちであれば、上記に加えてインサイドセールスはクロージングまでを担当する場合があります。商品やサービスの種類や性質、顧客の属性などによって、「この顧客はインサイドセールスがクロージングするが、この顧客はフィールドセールスが訪問してクロージングする」というように、ケースバイケースで対応する場合もあるでしょう。
どういった分業体制となっているかは企業によって異なるものの、いずれの場合でも、インサイドセールスとフィールドセールスの間での綿密な連携が重要となります。連携を正しくとっておくことによって企業としての一貫とした対応が実現し、例えば顧客にとっての「対応が引き継がれたことにより、以前話したことが伝わっていない」「言っていることが微妙に違う!」といった不満のもとをなくせます。
また、その見込み顧客の温度感が高まった最適なタイミングで迅速なクロージングへ移行するためにも、部門間での細やかな連携が欠かせません。
▼インサイドセールスとフィールドセールスの関係性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは? それぞれの役割や分業のメリット・デメリット・ポイントを解説!
インサイドセールスの細かな種類の違い
ここまでご紹介した、企業ごとにみられるようなインサイドセールスの役割の違いは、一般的に以下の3つに分類されます。
新規開拓型(BDR)
BDRは、「business development representative」の略です。
マーケティング部門から引き継がれたデータなどを基に、成約につながる可能性の高い見込み顧客(自社製品やサービスを認知していない潜在層を含む)へ積極的にアクションをとり、関係性を構築します。
いわゆる、PUSH型の営業活動となります。
インバウンド型(SDR)
SDRは、「sales development representative」の略です。
自社へ製品やサービスに関する問い合わせをしてくれた見込み顧客(自社製品やサービスを大枠で認知している顕在層)に対して、反響型の営業活動を実施して製品やサ-ビスをより深く知ってもらえるようにします。
いわゆる、PULL型の営業活動となります。
クロージング特化
特に高額な商品やサービスを販売・提供するケースでは、見込み顧客が契約することにハードルを感じ、思い悩む期間が長くなってしまうこともあります。
このような場合に活躍するのが、クロージング特化タイプのインサイドセールスです。
フェーズとして長期間、二の足を踏んでいるような状態に入っている見込み顧客へ対してメールや電話などで継続的な接点を持ちつつ、顧客が抱えている課題や不安を自社商品やサービスでいかに解消できるか、役に立つかといった訴求を行ないます。
インサイドセールスの具体的な業務内容例
ここまでご紹介したインサイドセールスの役割において、具体的に担当者がどういった行動をとるのか、いくつかの例をご紹介します。
Webセミナーやイベントでのホワイトペーパー入手者のフォロー
自社のセミナー(ウェビナー含む)やイベントに参加し、ホワイトペーパーを請求・入手してくれた見込み顧客は、ニーズがある程度顕在化していて、自社の商品やサービスに具体的な興味を持ってくれている顧客です。
ホワイトペーパーの提供時には、入手や無料ダウンロードの条件として顧客側の氏名や企業名、連絡先などを記入あるいは登録してもらう仕組みになっていることが一般的であり、つまりインサイドセールスが接点を持つための情報が収集できていることになります。
優先順位が非常に高いターゲットとも言えるため、インサイドセールスにて迅速なフォローを実施します。
カスタマージャーニーやシナリオの設計
マーケティング部門からの引継ぎなどで得られた大量の見込み顧客リストに対して、アクションをとる優先順位を決定しなければなりません。
そのためにインサイドセールスで行なうべきなのが、カスタマージャーニーの設計とシナリオの設計です。
カスタマージャーニーの設計では、自社と接点を持ってくれた(あるいはこちらから接点を持った)見込み顧客が、どのような経緯や心情の移り変わりを経て購入や利用、その後の長い関わりまで進むことになるのかという、顧客の行動を「旅」に見立てて設計します。
シナリオの設計では、このカスタマージャーニーを迷いなく進んでもらうために、顧客がどの段階でどの程度の興味を示しているべきか、どの段階で購入意欲が高まっているべきか、という点数指標を設計しておきます。
このシナリオに基づき、見込み顧客の反応や熱度をコミュニケーションごとにスコアリングしていくこととなります。
チーム内、および他部署との打ち合わせ
メンバーそれぞれが担当している見込み顧客の状況や対応方針について、定期的なチームミーティングで情報共有を行ない、またフィールドセールスやカスタマーサクセスなどの社内別部門とも打ち合わせを行なって将来的な成約までの戦略を連携しておきます。
資料やリストの作成
育成する顧客それぞれに向けた、課題解決や自社商品を分かりやすく提案するための資料やリストを作成することも、インサイドセールスメンバーの重要な役割です。
トークスクリプトの作成
顧客のフェーズや状況ごとに使い分けられる、基礎となるトークスクリプトを作成しておきます。
既存顧客のフォロー、解約防止
無事、成約や購入に至ってくれた既存顧客に対しては、カスタマーサクセス部門がある企業の場合にはそちらが対応を引き継ぐことになります。
そういった部門がない場合や、また成約までの過程の中で例えば「引き続きあなたと話せるなら長く利用したい」という声をもらうなど、深い関係性を構築できた場合などには、状況によってはインサイドセールス担当者が引き続き既存顧客のフォローや解約防止の活動を担うこともあります。
インサイドセールスで使われることが多いツール
インサイドセールスの業務においては、最大限の業務効率化を果たすために、様々なITツールがもちいられます。
これからインサイドセールスへの転職を目指す方も、こういったツールの役割や使い方をある程度把握できていると、採用面接時のアピールにも役立ちます。
それぞれのツールの種類や著名なツールの一例をご紹介します。
顧客関係管理システム(CRM)
顧客ごとの個人情報、これまでの行動履歴、関係性構築の履歴や問い合わせ・相談の履歴、アンケートの回答内容など、自社と顧客の関係における様々なデータを一元的に保存しておけるシステムです。
顧客関係管理システムでは、それらの膨大なデータをいつでも検索したり、分析のために項目ごとに抽出したりといったことが可能です。
顧客からの問い合わせを受けたり、自社から接触をとったりする際にこれまでの経緯をすぐに確認できることはもとより、営業活動の際に最適な提案をおこなうための貴重な情報源ともなります。
マーケティングオートメーションツール(MA)
その名のとおり、マーケティングにおける様々なアクションを自動化するためのツールです。
例えば、あらかじめ条件設定をしておくことによって、取り込んだ顧客リストのなかから条件に合うフェーズの顧客に対して適したタイミングでメールを自動送信したり、反応に応じた自動的なスコアリングを行なったり、趣味嗜好にマッチするコンテンツが自社から提供されるタイミングで自動的に配信をおこなったり、といった様々な対応が可能です。
営業支援ツール(SFA)
見込み顧客が成約に至るまでの、様々なフェーズに対応して営業活動の支援をしてくれるツールです。
例えば営業活動履歴の可視化、必要な部署への自動共有、活動レポートの自動生成、案件ごとの売上情報の管理や名刺データの管理といった機能を備えます。
営業活動におけるパフォーマンスの追跡や成果分析も行えるため、インサイドセールスの管理者がチームの管理を行なうためにも活用されます。
著名なツールの例
以上でご紹介した、顧客関係管理システム、マーケティングオートメーションツール、営業支援ツールは、元々はそれぞれ個別の分野としてツールが生まれたものです。しかし実は現代では、それぞれのツールが多機能化されるにつれ、他の種類の機能も盛り込んで一体型の統合的なツールとなっているケースが多く見られます。
例えばセールスフォース社の製品「Salesforce」では顧客関係管理システムをベースとしつつも営業支援の機能や、集計や分析のオートメーションにも対応しています。サイボウズ社が提供する「kintone」も、SFAや分析機能、ファイル共有機能などを持つ統合的なツールです。
使い方などを勉強するためにツールを選ぶ際には、そのツールの大まかな種類名だけでは実状が判断できないこともありますので、それぞれのツールの公式サイトで搭載機能をチェックしておくことをおすすめします。
また転職のための準備として適切なツールに絞って使い方を学んでおきたいという場合には、転職先の業界で具体的にどのツールが使われているケースが多いのかを、分かる範囲で下調べしておくと良いでしょう。
インサイドセールスの仕事が大変って本当?
インサイドセールスは企業において重大な役割を持つだけに、かかる責任からくる「仕事の大変さ」についてもよく耳にします。
職種を実際的な面で把握するために、現場で聞かれる大変さについてもポイントをおさえておくと良いでしょう。
詳しくはぜひ、リンク掲載している詳細記事のほうもご覧になってください。
顧客との関係における大変さ
インサイドセールスの役割を担い多くの顧客と接するなかで、顧客が属する業界も様々ですし、直接やりとりをすることになる顧客側の担当者の人柄や性格も当然のことながら様々です。
そんな中で、関係の構築や維持に大変さが伴うことがあるというのは、インサイドセールスに限らず営業職についてまわる苦労のひとつかもしれません。
業務量における大変さ
インサイドセールスでは、「潜在層→顕在層→見込み顧客→成約」という流れの中で様々なフェーズにある顧客と接触を重ねることになります。
チーム内での分担具合にもよりますが、場合によっては一日の中で、この時間は潜在層へファーストコンタクトをとり、この時間は見込み顧客の課題をヒアリングし……といったように、考え方を切り替えながら複数の行動をとらなければならないということもありえます。
目標達成やノルマに関する大変さ
インサイドセールスはあくまで営業職であり、会社組織の一員として常に目標達成を目指し、ノルマを意識しなければなりません。
インサイドセールス部門で設定されるKPI(達成度の指標)は企業や状況に応じて様々ですが、例えば架電数や会話成功(トークスクリプトを完遂できたなど)の率、有効商談数や受注率などが挙げられます。
▼インサイドセールスという職種の大変な部分、ネガティブな声や対策などについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスが病むといわれる理由とは? やりがいや辛いときの対応策も解説!
インサイドセールスが辛い仕事って本当? 辛いと感じる理由と解決方法に加えインサイドセールスならではのやりがいも解説!
インサイドセールスはやめとけ・辛いと言われる理由とは?向いている・向いていない人の特徴やキャリアも解説
責任があり大変だからこそ感じられるインサイドセールスのやりがい
前項でインサイドセールスの大変さの面に触れましたが、ご覧いただいたように、大変さとはいってもあくまで、その役割に当然のごとくついてくるような想像の範囲内の苦労でありデメリットとまでは言えないかもしれません。
また、インサイドセールスはこういった苦労面がありつつも、転職市場で志望者が多く、動向が活発になっている職種のひとつです。
最後に、インサイドセールスという職種の人気が高い理由を簡単にご紹介します。
詳しくはぜひ、リンク掲載している詳細記事のほうもご覧になってください。
・たくさんの人とコミュニケーションでき、関係性を深めていくなかで自然に人脈が広がる
・企業において営業部門全体をコントロールする役割を担える
・試行錯誤してゴール(成約や、フィールドセールスへの引き渡し)にたどり着く楽しみがある
・分野を超えた様々な業界知識を自然に学べる
・将来的なキャリアアップに通ずる様々な経験やノウハウ、スキルを得られる
▼インサイドセールスのやりがいや魅力を深く知りたい方は、こちらの記事もぜひあわせてご覧ください。
▼インサイドセールスへの転職に興味を持たれた方は、こちらの記事もぜひあわせてご覧ください。
業界問わず注目が集まり、需要が高まっているインサイドセールスへ今すぐチャレンジ!
本記事ではインサイドセールスという職種について知りたいという方へ向けて、定義や役割、市場動向や具体的な業務内容などについて包括的にご紹介しました。
インサイドセールスは業界の違いを問わず営業活動を行なうあらゆる企業で導入・整備が進んでいる分野であり、それに伴って転職市場も非常に活発となっており、実際に求人も増えています。
転職先の職種として興味を強められた方は、ぜひ本記事各章で掲載しているリンク一覧から、さらに詳しい解説記事もご覧になってください。
9Eキャリアインサイドセールスの転職支援サービスでは、インサイドセールス業務への理解が深いキャリアアドバイザーが求職者様の経験にフィットする業務内容の求人を提案するなどインサイドセールス特化型だからこそ可能な転職支援を行います。
インサイドセールス職で転職を考えている方は以下ボタンより、ぜひ面談予約してください。
インサイドセールス基礎知識のおすすめ記事
-
2024/12/10
インサイドセールスのキャリアパスを徹底解説!目指す人に必要なスキル、キャリアアップのために必要な経験・身に付く能力も紹介
-
2024/12/09
インサイドセールスはやめとけ・辛いと言われる理由とは?向いている・向いていない人の特徴やキャリアも解説
-
2024/12/09
インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは? それぞれの役割や分業のメリット・デメリット・ポイントを解説!
-
2024/12/09
インサイドセールスに向いてる人、不向きな人の特徴とは? 求められるスキルや適性も紹介