2024年12月9日公開
最終更新日:2025年9月18日
インサイドセールスの将来性や市場価値は高い? 身に付けられるスキルやキャリアパスを解説
特にコロナ禍以降、日本でも新しい職種として注目されているのが「インサイドセールス」です。近年インサイドセールス部門を新設する企業も増加傾向にあり、インサイドセールスへの転職やキャリアチェンジに興味がある方も多いかもしれません。
本記事では、インサイドセールスという仕事の将来性や市場価値とともに、身に付けられるスキルやキャリアパスを解説します。転職成功につながるポイントも紹介していますので、ぜひ各見出しを目次のように活用いただきつつ、必要な情報から参考にしてみてください。
▼インサイドセールスの概念、基本的な考え方や活動内容についてはこちらの記事で総合的に解説しています。
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
データから見るインサイドセールスの将来性
インサイドセールスは、比較的新しい概念ながら将来性がある役割のひとつと言われています。実際にインサイドセールスは将来性があるのかどうか、様々なデータに基づいて解説します。
インサイドセールスの認知度
CRMやマーケティング関連のツールを多く開発し、ビジネスに関する情報を多く提供しているHubSpot社が実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2024(※1)」のデータ集によると、営業活動現場における売り手全体でのインサイドセールスの認知度は47.4%でした。同調査が開始された2020年の回答で得られた35.5%から、12%近く増加していることとなります。資料からは調査開始時から4年連続で、インサイドセールスの認知度が右肩上がりになっていることもみてとれます。
※1 出典:HubSpot「日本の営業に関する意識・実態調査2024」
インサイドセールスの導入率
同調査によると、営業現場における売り手全体でのインサイドセールスの導入率は41.7%でした。調査開始の2020年よりも5%上昇しています。2023年の導入率41.3%からみると伸びが少なくみえますが、これはすでにインサイドセールスを導入している企業が増加しており、未導入の企業が年々減っているともとれます。そのことから、今後伸び率自体は鈍化していくことが予想されるでしょう。
いずれにしてもまだまだインサイドセールス部門を新設したばかりであったり、ノウハウを蓄積できておらず人手も足らなかったり、という状況の企業は多いという状況が続くでしょう。
テレワーク・CRM導入率
インサイドセールスの働き方としても採用されているテレワークの導入率は、営業現場における売り手全体で49.9%、買い手全体で40.4%でした。コロナ禍が落ち着きをみせた段階で対面での営業活動(フィールドセールス)への回帰をした企業もあり、前年の56.2%よりは減少していますが、大きな減りはありません。
インサイドセールスをはじめとした営業活動や顧客管理に使用されるCRM(顧客関係管理システム)の導入率は、36.2%です。2020年から4年連続で増加しています。
インサイドセールスの求人増加率
株式会社リクルートがまとめた、「新しい営業職」(インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス)に関する求人と転職に関する動向調査(※2)によると、2018年時点と比較し、新しい営業職の求人数は2.62倍に増加しました。インサイドセールスだけでみると、1.71倍に増加しています。
インサイドセールスは従来の営業職と比較して、求められるスキルが多様化しているという点が特徴です。そのため、エンジニアや施工管理といった、営業分野とは異なる技術系職種の出身者や、飲食業や宿泊業などのサービス職種出身者が新しい営業職への挑戦としてインサイドセールスへキャリアチェンジすることも、珍しくなくなりました。
インサイドセールスという仕事に対する認知度や企業での導入率などが増加しており、求人数も増えていることから、インサイドセールスは将来性があると言えるでしょう。
インサイドセールスは将来性があると言われる理由
インサイドセールスの導入率や認知度、求人数の増加の背景にある理由を解説します。
営業活動の効率化が実現する
インサイドセールスは、電話、メール、オンラインのWeb会議システムなどのツールを使って非対面で営業活動を行う手法です。従来の営業手法のように、取引先へ訪問する移動時間が発生しません。短時間で多くの顧客にアプローチができるため、営業活動が効率化します。
インサイドセールスによって効率化が実現すれば、営業人材不足の課題解決や、企業の優位性の向上などにもつながるでしょう。
生産性向上を図れる
インサイドセールスは非対面による営業活動のため、少ない担当者で多くの顧客にサポートやフォローを提供できます。マーケティングから引き渡された情報をもとにインサイドセールスが見込み顧客へアプローチして、確度の高くなった顧客をフィールドセールスへ渡して商談を行うため、最終的に成約までつながる可能性を高められます。社内各部門での分業によって全体的な生産性の向上も図れます。
また、従来は1人の営業担当者が一気通貫にて顧客へ営業活動を行っていたぶん、業務負担も大きくなる傾向にありました。分業によって営業担当者1人あたりの負担が大幅に減るため対応品質の向上も期待できる点が、従来の包括的な営業手法とインサイドセールスとの違いです。
サブスクリプション型サービスやSaaSビジネスモデルの拡大
インサイドセールスが注目、重要視されている背景にあるのがサブスクリプション型サービスやSaaSビジネスモデルの浸透・業界の拡大です。サブスクリプション型サービスやSaaSビジネスは、従来の売り切り型とは異なり、顧客が製品の継続利用やサービスの継続契約をしてくれることによってはじめて大きな利益を上げられます。そのため、顧客と継続的な関係を築くアプローチを徹底して行う、インサイドセールスの需要が高まっているのです。
インサイドセールス自体の役割の強化
CRMやMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入、AIなどの技術導入などで営業におけるDXを推進する企業も多くなりました。その結果、インサイドセールスでできることも多くなり、役割も多様化しています。たとえばリストから獲得した見込み顧客のアポイントを調整するというようにマーケティングの役割を兼ねたり、インサイドセールスが商談からクロージングまでを非対面で担ったりなどです。それぞれの部署が役割を担う分業制によって営業活動の効率化は図られているものの、今後インサイドセールスが多くの役割を担うことで、営業活動全体を俯瞰できる立場として重要視される可能性もあるでしょう。
インサイドセールスの市場価値が高いと言われる理由
インサイドセールスは、職種としての市場価値が高いとも言われています。インサイドセールスの市場価値を高める、おもな要因や理由を解説します。
データ分析によって営業活動の精度を高められる
インサイドセールスでは、マーケティング部門で収集したデータを分析し、抽出した見込み顧客に対してデータをもとにした戦略を立ててアプローチを行います。さらに、CRMツールやMAツール、SFAツール(営業支援ツール)などを活用して顧客管理や他部門との連携も行います。従来の勘や経験のみに頼った営業活動ではなく、データをもとにした精度の高い営業活動ができるのも、インサイドセールスが多くの企業に導入されている理由です。
非対面で営業活動ができる
ネットワーク環境やツールを使用すれば、インサイドセールスは場所や時間を選ばず非対面で営業活動ができます。飛び込み営業や訪問営業が不要で商談数を増やせるのがメリットです。在宅勤務やリモートワークでの働き方もできるため、多様な働き方を実現できる職種としても注目されていて、働き手市場にとっての価値も高くなっています。
サブスクリプション型サービスやSaaSのビジネスモデルとの親和性
前述通り、サブスクリプション型サービスやSaaSのビジネスモデルが拡大しています。インサイドセールスは営業活動を効率化するだけでなく、データを分析し顧客へ有益な情報を提供し、解決策として自社製品やサービスを提案し、商談につなげるのが職種としての概要です。その過程で顧客の継続意欲や顧客ロイヤリティを高めることもできるため、サブスクリプション型サービスやSaaSビジネスとの相性が良く、今後もインサイドセールスは一定の市場価値を維持できると予想されます。
多くのスキルを身に付けられる
インサイドセールスでは、他の営業職へのキャリアチェンジにも役立つさまざまなスキルを身に付けられます。未経験から挑戦でき、多くのスキルを身に付けられることもインサイドセールスの市場価値を高めている理由のひとつです。
一方でインサイドセールスの将来性が「ない」「やめとけ」と言われる理由とは?
将来性が期待される一方で、一部では「将来性がない」「きついからやめとけ」といった声が聞かれることもあります。なぜそのように言われるのか、主な理由を解説します。
AIによる代替への懸念
AI技術の進化は目覚ましく、定型的な電話やメール対応といった業務は将来的にAIに代替されるのではないか、という懸念があります。単純なアポイント獲得のみを目的とする業務は、確かにAIに置き換わる可能性が指摘されています。
精神的な負担
インサイドセールスは非対面で多くの顧客にアプローチするため、顔が見えない相手から断られ続けることも少なくありません。また、架電数やアポイント獲得率といったKPI(重要業績評価指標)で厳しく管理されるため、精神的なプレッシャーを感じやすいという側面もあります。
▼インサイドセールスが厳しいと言われる理由については以下の記事でも解説しています。
インサイドセールスはやめとけ・辛いと言われる理由とは?向いている・向いていない人の特徴やキャリアも解説
成果指標(KPI)の厳しさ
業務が数値化されやすいため、日々の行動量や成果が明確に可視化されます。目標未達が続くと評価に直結しやすく、常に数字に追われる環境を「きつい」と感じる人もいるでしょう。
しかし、これらの懸念点はインサイドセールスの一側面に過ぎません。むしろ、これから解説するように、単純作業ではなく顧客の課題を深く理解し、解決に導くという高度な役割を担うことで、インサイドセールスの市場価値は今後さらに高まっていくと考えられます。
▼インサイドセールスにおけるKPIの設計方法については以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください
インサイドセールスの目標の設定方法とは? KPIの項目や目標達成のコツを解説
インサイドセールスの年収
実際の求人市場の動向からみると、2024年現在のインサイドセールスの年収の相場は概ね350〜700万円、平均年収は490万円ほどです。複数の営業関連職種の中でもインサイドセールスは求人で提示されている平均年収が高めとなっており、平均年収の高さでみると次いで企画営業、既存営業という傾向になっています。
国税庁発表の「令和4年分民間給与実態統計調査(※3)」によると、給与所得者の平均給与は458万円です。この点から考えると、インサイドセールスの平均年収は全業種の平均年収という観点でみても高めになっているということが分かります。
▼インサイドセールスの年収、年収の計算方法、年収を上げる方法などについてはこちらの記事で総合的に解説しています。
インサイドセールスの平均年収とは? 求人の特徴や転職・キャリアアップを成功させるポイントを解説
インサイドセールスで身に付けられるスキル
インサイドセールスの業務からは、多くのスキルを身に付けられます。インサイドセールスで身に付けられるおもなスキルを紹介します。
架電のコミュニケーションスキル
インサイドセールスは架電による非対面コミュニケーションで営業活動を行います。架電は未接触企業へ架電するアウトバウンド(テレアポ)と、問い合わせなどに対応するインバウンドがあります。いずれの架電業務においても、相手の表情やしぐさを観察できない状況で、電話の音声だけで相手の心情の変化や状況を察知するスキルが身に付くでしょう。相手の声の雰囲気や言葉の端々を読み取りながら、適切な対応を判断したり、顧客の持つ課題が何かを把握できたりといったスキルです。
テキストのコミュニケーションスキル
インサイドセールスは電話のほか、メールも営業活動に活用します。テキストでのコミュニケーションを通じて顧客と信頼関係を構築できるスキルが身に付けられます。要件を正しく伝えられるのはもちろん、適切なニュアンスの言葉を選んだり、文章を通じて相手を意図した感情へ誘導できたりするスキルです。これらの要素が含まれたメールを短時間で作成できるようにもなるでしょう。
データの分析力
インサイドセールスでは膨大に蓄積されたデータを正しく分析することによって、顧客に対して成果の出るアプローチができます。成功要因や失敗要因を分析することで、失敗の再発防止、成功・失敗パターンからの勝ちパターン抽出、次に活かせるアクションプランの作成などを実現できるため、経験を積んでいくことによって正しい分析を行う力を養えます。
信頼関係の構築スキル
インサイドセールスは非対面で顧客へ営業活動を行うため、信頼関係を構築することが必須となります。顧客と信頼関係がないと、再アプローチで興味関心を引き上げるのが難しいだけでなく、話をまともに聞いてもらえない可能性も高くなります。
インサイドセールスでの業務では、顧客とどう接点を持てるか、どう話せば不信感を取り除けるかを試行錯誤します。経験を積むことで、顧客と信頼関係を構築できるスキルも徐々に身に付けられるでしょう。
情報収集や情報処理スキル
インサイドセールスで顧客からの信頼を得たり、課題や新しいニーズを引き出したりするためには、質の高いコミュニケーションを取る必要があります。顧客の興味関心や本音を引き出すために、リストや企業情報などにある基本情報以外にも、相手企業の最新情報や業界ニュースをインサイドセールス自らが収集する必要があります。
さらに、次回のアプローチや商談へ活用するために、電話やメールでヒアリングできた顧客情報は、素早く正確にデータ化しなければいけません。データはインサイドセールスだけでなく、マーケティングやフィールドセールスといった連携を取る部門にも共有されます。部門間での認識の齟齬を防ぐために、情報を適切に整理し、入力、処理するスキルが必要です。
インサイドセールスの業務を通じて、自ら情報を収集するスキルや、処理するスキルも身に付けられます。
仮説の検証能力
データを分析し、成功要因、失敗要因を把握した後は仮説を立てて検証し、失敗の再発防止や勝ちパターン化を実現できます。新規事業立ち上げなどにも役立つ、仮説を立てて検証するスキルも身に付けられるでしょう。
顧客のニーズを社内へ共有できる力
インサイドセールスは、顧客のニーズを社内組織に共有する力が身に付けられます。マーケティングから引き渡された見込み顧客へヒアリングを行い、悩みやニーズを発掘し、解決策として製品やサービスを提案します。その後商談を獲得してフィールドセールスへ引き渡すというプロセスを踏みます。
インサイドセールスはマーケティングから見込み顧客を引き渡される立場ですが、顧客のニーズや悩みなどをマーケティングへフィードバックすることで、マーケティングの施策に反映できます。フィールドセールスへは、商談から成約につなげるために顧客の悩みやニーズを的確に共有する必要があるためです。
ITリテラシー
インサイドセールスはPCの基本操作のほか、CRMやMAなどの各種ツールを使いこなす力や、架電数やメール送信数などのデータを分析、把握するITリテラシーが身に付けられます。従来のフィールドセールスはひとつでも多くの訪問先へ足を運べる体力が求められましたが、その分インサイドセールスは非対面での営業活動を行うためのITリテラシーが必須となります。PC操作やツール操作が苦手でも、インサイドセールスの業務をこなすうちに身に付けられるでしょう。
▼インサイドセールスで求められるスキルについては以下の記事でも解説していますので、ぜひ一読してみてください。
インサイドセールスに必要な12のスキル|向いている人の特徴やキャリアパスも紹介
AIは仕事を奪うのか? これからの共存と役割分担
前述の通りAIによる代替が懸念される一方、AIはインサイドセールスの仕事を奪う「脅威」ではなく、生産性を最大化する「強力なツール」になると考えられています。
AIが得意なのは、膨大なデータ処理や単純作業の自動化です。例えば、ターゲットリストの精査、議事録の自動作成、一次アプローチのメール自動送信などはAIが担うことで、インサイドセールスはより付加価値の高い業務に集中できます。
一方で、顧客の声のトーンや言葉のニュアンスから真の課題を読み解き、共感を通じて信頼関係を構築すること、複雑な状況に対して仮説を立て戦略的な提案を行うことは、人間にしかできない高度なスキルです。
結論として、AIを使いこなすことで、インサイドセールスは単純作業から解放され、より創造的でコンサルティングに近い役割へと進化していくでしょう。
インサイドセールスに向いている人・向いていない人の特徴
インサイドセールスで活躍するには、どのような適性が求められるのでしょうか。ここでは、向いている人とそうでない人の特徴を解説します。ご自身のキャリアを考える際の参考にしてください。
インサイドセールスに向いている人の特徴
インサイドセールスで活躍できる人には、まず、データや顧客との対話から課題を推測し、解決策の仮説を立てられる論理的思考力が求められます。同時に、相手の話の背景にある悩みまで汲み取る高い傾聴力も、非対面で信頼関係を築く上で欠かせません。こうした活動を粘り強く続けるためには、設定された数値目標に対する目標達成意欲と、自らを律するセルフマネジメント能力も不可欠です。さらに、担当業界や新しいITツールについて自ら進んで学ぶ知的好奇心があれば、市場価値の高い人材へと成長していけるでしょう。
インサイドセールスに向いていない人の特徴
逆に、インサイドセールスの業務特性が合わない可能性のある人の特徴もあります。例えば、非対面でのやり取りよりも直接会って関係性を築くことに強いやりがいを感じる人は、物足りなさを感じるかもしれません。また、常にPDCAを回して改善が求められるため、決まった手順で作業を進める定型的なルーティンワークを好む人にも不向きな場合があります。そして何より、顧客からの拒絶を個人的に受け止めてしまい、断られることに強いストレスを感じてしまう人にとっては、精神的な負担が大きい仕事と言えるでしょう。
▼インサイドセールスという仕事への向き・不向きに関しては以下の記事でも解説しています。
インサイドセールスに向いてる人、不向きな人の特徴とは? 求められるスキルや適性も紹介
インサイドセールスのキャリアパス
インサイドセールスとしての業務経験や実績を積むことで、さまざまなキャリアパスを描けます。インサイドセールスのおもなキャリアパスを紹介します。
インサイドセールスの上位職
インサイドセールスのリーダーやマネージャーへつながるキャリアパスを醸成可能です。インサイドセールスとしての成果を出し続け、後輩が入社したら教育を行い、最終的にチームのマネジメントも担います。営業活動単位での成果を上げるだけでなく、プロジェクトの統括、仕事の効率化、全員が成果を出せる仕組みの構築や教育支援なども考えて業務にあたるのが特徴です。リーダーやマネージャーへのキャリアパスは、人材育成や教育にも興味がある人に向いているでしょう。
フィールドセールスへのキャリアチェンジ
インサイドセールスが獲得した商談は、フィールドセールスがクロージングし、契約、売上につなげます。取り扱う製品やサービスは同じであるため、インサイドセールスで身に付けた商材の知識を活かして同じ会社や同業種でフィールドセールスへキャリアチェンジすることも可能です。顧客のニーズを発掘したり、悩みの解決を提案したりするインサイドセールスで身に付けたコミュニケーション能力も発揮できます。インサイドセールスでは体験できない、最終的なアクションでこそ得られる契約や受注という成果を体感したい人に向いているでしょう。
カスタマーサクセスへのキャリアチェンジ
カスタマーサクセスは、フィールドセールスが受注・契約した顧客に対して継続的なアプローチを行い、成功体験を通じて製品やサービスの継続利用を促す職種です。顧客へ発生する新たな悩みやニーズを発掘して、アップセルやクロスセルなどの提案を行って利益を上げる役割も担っています。アップセルとは、例えば無料プランから有料プラン、有料プランからさらに高額・多機能なプランといったように上位プランや上位商品の提案を行います。クロスセルは、関連商品やオプションなどの追加商品の提案を行うことです。
カスタマーサクセスでも、インサイドセールスで培った商材の知識や、悩みやニーズを発掘できるスキルがおおいに役立ちます。
マーケティングへのキャリアチェンジ
マーケティング部門は市場に対して、さまざまな施策や手段をもちいながら自社の製品やサービスに対する興味を喚起し、見込み顧客(リード)を創出する役割を持ちます。たとえばSNSやWebメディア、紙メディアやCM媒体などのチャネルを通じて潜在顧客にコンテンツを届けたり、効果検証を行ったりするのが、マーケティングのおもな業務です。インサイドセールスは非対面で顧客ニーズの喚起を行うため、そこで得られたノウハウはマーケティングの施策にも活用できるでしょう。
新規サービスや新規事業の立ち上げ・独立
インサイドセールスは見込み顧客ともっとも多くの接点を持つ立場のため、顧客ニーズを把握しやすいのが特徴です。市場調査なども行っているため、顧客のニーズや市場の動向などのデータをもとに新規事業の企画や提案ができます。新規事業をメインで推進する部署で活躍するほか、独立起業も可能です。顧客からヒアリングした情報をデータとして蓄積するだけでなく、インサイドセールスで得た分析力や思考力、仮説や検証力といったスキルは、新事業や新規サービスの分野でも活かせるでしょう。
▼インサイドセールスのキャリアパスについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスのキャリアパスを徹底解説!目指す人に必要なスキル、キャリアアップのために必要な経験・身に付く能力も紹介
インサイドセールスへの転職を成功させるポイント
インサイドセールスは将来性があり市場価値が高いため、求人の数も増加傾向にあります。これからインサイドセールスへの転職を検討している人のために、転職を成功させるためのポイントを解説します。
自己PRを明確にする
インサイドセールスへの転職を成功させるには、応募先への効果的な自己PRができるかが肝心です。そのためには、自分の強みを明確に理解しておくようにしましょう。アピールポイントは複数用意するよりも、1〜2個に絞って深く掘り下げることで、より自分の価値として採用側へアピールできます。
インサイドセールスの転職へ有利となるアピールポイントの例は以下の通りです。
・営業経験
・コミュニケーション能力
・ストレス耐性
・行動力
・多くの業務を効率化できる力
・仮説を立てられる力
・向上心
たとえば営業経験をアピールするなら、過去の営業実績や達成した目標などを具体的に述べるようにしましょう。例えばインサイドセールスに必要となるストレス耐性については、過去の失敗から次のアクションにつなげられたこれまでの経験をアピールすると良いでしょう。多くの顧客へアプローチするための行動力や業務を効率化する力については、今までの業務経験で行った具体的な工夫や試行錯誤の内容と、その成果などを伝えられればアピールできます。
いずれの強みやスキル、経験をアピールする場合にも、具体的な数値やデータ、事例やエピソードを盛り込むことで説得力が増します。
業界や製品への知識を身に付けておく
インサイドセールスの採用側の業界や製品、商品に関する知識をあらかじめ身に付けておくことで、業界の慣習や製品の性質などを踏まえた自己アピールができます。さらにその事前準備をできたということ自体が、実際にインサイドセールスとして活躍する際の顧客の悩みやニーズの発掘をする力を持っているというアピールにもなるかもしれません。
マーケティングの知識を身に付けておく
インサイドセールスへの転職時、マーケティングの知識を持っていると有利になります。マーケティング部門と連携する際に役立つことはもちろん、顧客へのアプローチの際にも、マーケティング部門が蓄積したデータを分析して適切な対応を行う必要があるためです。採用時のほか、実際にインサイドセールスとしての業務に当たるときにも役立つでしょう。
マーケティングの基礎は入門書で専門用語を学んだり、動画を活用したりして身に付けられます。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用することで、効果的な自己アピールや面接対策のほか、非公開求人の紹介も受けられます。自分に合う企業の紹介が受けられるため、ミスマッチも防げます。
インサイドセールスは新しい職種のため、インサイドセールスの採用や転職に特化した転職エージェントを利用するのがおすすめです。た「9Eキャリア インサイドセールス」では、業界初のインサイドセールスの求人・転職に特化した支援サービスを提供しています。求人案件は優良スタートアップからメガベンチャーまで幅広く保有しており、他社では取り扱いのない優良非公開求人も豊富にございます。
1人のキャリアアドバイザーが企業様と求職者の方との両面を担当する、一気通貫スキームを採用しています。
企業や業界のリアルな情報を直接ご紹介・説明しているため、紹介のミスマッチも起きません。応募書類作成のサポートや企業ごとの面接対策といった、徹底した伴走型の転職支援も提供しています。
インサイドセールスは将来性や市場価値の高い職種
本記事ではインサイドセールスのデータから見た将来性や、市場価値が高まっている理由、インサイドセールスで身に付けられるスキルやキャリアパスなどを解説しました。一部では「きつい」「AIに代替される」といった懸念も聞かれますが、それはインサイドセールスの役割が単純作業から、より高度で専門的なものへと進化している過程の表れでもあります。インサイドセールスは今後も将来性があり、部門をこれから新しく設置する企業もまだまだあると予想されています。
インサイドセールスの求人についても、今後も安定して出される見込みがおおいにあるため、ぜひインサイドセールスへの転職やキャリアアップを目指してみましょう。
9Eキャリアインサイドセールスの転職支援サービスでは、インサイドセールス業務への理解が深いキャリアアドバイザーが求職者様の経験にフィットする業務内容の求人を提案するなどインサイドセールス特化型だからこそ可能な転職支援を行います。
インサイドセールス職で転職を考えれている方は以下ボタンより、ぜひ面談予約してください。
この記事の監修者
小能見 理沙
大学卒業後、公務員としてキャリアをスタートするも、自身の成長のため独立。未経験から営業に挑戦し、3ヶ月で目標を大幅に達成する。この経験から「人生を変える一歩を支援したい」と決意し、キャリアアドバイザーに転身。
株式会社9E入社後は、半年で売上1位を記録しリーダーに昇格。現在はキャリアアドバイザーのスペシャリストとして、インサイドセールス職やカスタマーサクセス職への転職支援で年収大幅アップなど多数の実績を持つ。(▶︎詳しく見る)
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