2025年6月4日公開
最終更新日:2025年6月4日
投稿者:9Eキャリアインサイドセールス編集部

インサイドセールス人材の育成方法|研修の必要性やスキル向上の取り組みを徹底解説

インサイドセールスの成果向上を図る上で欠かせないのが、担当者のスキルアップです。顧客と一対一でコミュニケーションを取るインサイドセールスでは、担当者一人ひとりの力量が問われ、成果に差が生じやすいのが実情です。

 

この記事では、インサイドセールス人材の育成方法について解説します。研修の必要性やトレーニングの流れ、スキルアップのための取り組み、人材育成のコツなどを詳しくお伝えします。

 

「効果的な人材育成の方法を知りたい」という方はもちろん、「もしインサイドセールスに転職したらどんな研修があるんだろう?」と気になっている方にも役立つ情報をお届けします。各見出しを目次のように活用していただき、必要な情報からチェックしてみてください。

 

インサイドセールスの概要

通話中のオペレーターチームの男女

インサイドセールスとは、内勤営業を意味する言葉で、電話やメール、Web会議システムなどを使って社内から営業活動を行います。顧客と直接会って話をするフィールドセールスとは異なり、非対面のコミュニケーション手段を用いて顧客にアプローチするのが特徴です。

 

インサイドセールスは、移動コストがかからない分、多数の顧客にコンタクトを取ることが可能です。遠隔地の顧客に対しても営業活動が行えるため、売上アップだけでなく市場拡大にも貢献します。

 

インサイドセールスの役割と課題

インサイドセールスの主な役割として、「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」「商談の創出」の3つが挙げられます。見込み顧客の育成と選別を行い、成約につながる商談を創出することが、インサイドセールス担当者の仕事です。

 

より具体的に説明すると、リードナーチャリングでは、ヒアリングや継続的なコミュニケーションを通じて、見込み顧客の関心や購買意欲を高めていきます。そして、受注確度が高まった状態の見込み顧客を選別し、商談の機会を打診します。商談の承諾を得られたら、その後の対応はフィールドセールスへ引き継ぎます。

 

このようなインサイドセールスの一連の業務を円滑に進めるためには、高いコミュニケーション能力や分析力、提案力といった幅広いスキルが必要です。担当者のスキルが成果に直結すると言っても過言ではなく、いかに優秀な人材を確保するかが重要であり、課題となっています。

 

インサイドセールス担当者の育成が重要視される理由

ファイルを手に悩むスーツの男性

ここでは、なぜインサイドセールス担当者の育成が必要なのか、その理由を解説していきます。

 

担当者のスキルや能力が成果に直結する

先ほども少し触れましたが、インサイドセールスの成果は担当者のスキルに大きく左右されます。そのため、担当者のスキルアップや知識の習得は非常に重要となります。研修やトレーニングによって能力が高まれば、商談化率や成約率の向上が期待できます。

 

即戦力になる人材が不足している

インサイドセールス人材は不足しており、即戦力となる経験者を新しく採用するのは困難です。求める人材のレベルが高いと、採用活動が長期化するおそれがあります。ポテンシャルのある未経験者を採用し、一から育成する方が効率的ともいえます。

 

専門性の高いスキルや知識が必要になる

インサイドセールスでは、非対面の営業手法を用いるため、高いコミュニケーション能力や電話応対スキルが求められます。また、自社製品の知識や理解、業務ツールを効果的に利用する能力なども必要です。

 

このような専門性の高いスキルや知識を独学で身につけるのは難しいため、企業側が人材を育成する仕組みを構築することが重要です。

 

競合他社との差別化が求められる

同じようにインサイドセールスを行う競合他社に打ち勝つためには、戦略だけでなく、個人のスキルも重要な要素となります。研修やトレーニング、定期的なフィードバックといった人材育成の取り組みが不可欠です。

 

インサイドセールスの人材育成トレーニングの流れ

人材育成の文字と人物が描かれたブロック

インサイドセールス人材の育成は、以下のような流れで進めていきます。

 

1. インサイドセールスの目的や役割を理解する

2. 実務に必要な基礎知識を得る

3. ロールプレイングを経てOJTに移行する

4. フィードバックを実施する

5. スキルの習熟度を確認する

6. さらなるスキルアップを目指す

 

具体的にどのような取り組みを行うのか、順番に解説していきます。

 

1. インサイドセールスの目的や役割を理解する

まずは、インサイドセールスに関する基礎知識の学習からスタートします。具体的には、以下のような内容です。

 

・インサイドセールスの概要

・インサイドセールスの目的と役割

・インサイドセールスの流れ

・インサイドセールスとテレアポとの違い

・インサイドセールス担当者に求められるスキル

 

インサイドセールスの基礎的な知識の有無は、目標達成意識に大きな差を生みます。「何のためにインサイドセールスを行うのか」「インサイドセールス担当者の最終目標はどこにあるのか」を知ることで、仕事に対する責任感や自覚が芽生えます。

 

また、人材育成の初めの段階で、インサイドセールスとテレアポの違いについて説明することも重要です。一回の電話でアポイント獲得を目指すテレアポに対し、インサイドセールスは顧客と何度もコミュニケーションを重ね、購買意欲を高めてからアポイントを打診します。両者の違いを理解しておかなければ適切なアプローチができず、成果に結び付きづらくなります。

 

2. 実務に必要な基礎知識を得る

次は、実際の業務で必要になる知識について学んでいきます。主に以下のような項目が挙げられます。

 

具体的な業務の流れ

インサイドセールス担当者が実際に行う業務を把握します。業務の流れや業務内容、業務範囲のほか、他部門との関わりについても理解を深めます。

 

自社の製品やサービスについて

インサイドセールスを行う上で、自社商材への理解は不可欠です。担当者は実務に入る前に、商材の特徴や提供価値を頭に入れておく必要があります。

 

商材の知識:特徴、機能・サービス内容、料金体系

提供価値:導入効果、解決できる課題、独自の強み、競合との違い

市場状況:主な競合企業・製品、シェア状況、トレンド

 

ターゲットリストの扱い方

アプローチを行う顧客リストの運用の仕方を学びます。優先順位の付け方や、ターゲット情報を調査するための方法などを習得します。

 

架電のトークスクリプトやヒアリング項目の説明

見込み顧客との会話時に用いるトークスクリプトやヒアリング項目について学習します。トークスクリプトは目で読むだけでなく、声に出して繰り返し読み上げることで身につきやすくなります。

 

アプローチの手順と優先順位付け

見込み顧客へのアプローチの仕方は、特に重要な項目です。アプローチのルールや関係構築のためのノウハウ、見込み顧客の優先順位の付け方なども学びます。

 

アポイントを打診するタイミング

商談化の条件やタイミングについて学びます。リードスコアリングのやり方や評価方法なども学習します。

 

ツールの操作、活用方法

インサイドセールス業務で用いるツールの操作方法や活用方法を学びます。実際の画面やマニュアルを見ながら、情報入力の仕方や注意点などを確認していきます。

 

3. ロールプレイングを経てOJTに移行する

インサイドセールスの基礎知識の学習が終わったら、実務にスムーズに移行するための実技練習を実施します。OFFJT→OJTという流れで行います。

 

OFFJTとは、実務から離れて行う研修のことで、トークスクリプトの読み上げやロールプレイングなどが該当します。一方、OJTは、実務を通じて必要な知識やスキルを身につける方法で、指導役のサポートやフォローを受けながら業務を行います。

 

<OFFJTとOJTの概要>

 

OFFJT
(Off-the-Job Training)

OJT
(On-the-Job Training)

特徴

業務外で行う学習や研修

実務を通して行う訓練

内容

ロールプレイング、トークスクリプトの練習、商材への理解を深める研修など

電話やメールを用いたアプローチの実践、システムへのデータ入力、分析作業など

目的

実務にスムーズに適応するため

即戦力として成長するため

効果

基礎的な知識やスキルの習得

実務に必要な知識やスキルの習得

 

OFFJTとOJTを使い分けて育成を進めることで、基礎知識の定着と実践的スキルの向上をバランスよく促進できます。

 

4. フィードバックを実施する

OJTのモニタリングや録音を元にフィードバックを実施します。インサイドセールスで成果を出すためには、電話応対スキルが欠かせません。良かった点や悪かった点、改善点を明確にして、担当者のスキルアップを図ります。

 

電話応対の主なチェックポイントを以下にまとめました。

 

<会話の内容と流れ>

・課題やニーズを上手に引き出せていたか

・ヒアリングした内容に基づいて適切な提案ができていたか

・相手からの質問に的確に答えられていたか

・会話の一連の流れ(導入、ヒアリング、提案、クロージング)がスムーズであったか

・クロージングで次のアクション(資料送付や見積もり提示など)につなげられたか

 

<話し方や態度>

・正しい言葉遣いができていたか

・声のトーンや話すスピードは適切であったか

・専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で説明できていたか

・相手の言葉を遮ったり、一方的に話したりしていなかったか

・始終丁寧な対応ができていたか

 

5. スキルの習熟度を確認する

習熟度の確認リストを作成し、担当者のスキルレベルを評価します。スキルの習熟度を可視化することで、業務に必要なスキルをどの程度身につけられているか把握しやすくなります。

 

習熟度を確認するための主なチェック項目を表にまとめました。

 

評価対象

 

評価基準

知識

自社商材に関する知識

特徴や強み、競合との違いが分かっているか

ターゲット顧客への理解

顧客の課題やニーズを的確に捉え、解決策を提示できているか

営業プロセスの把握

業務全体の流れや、顧客へのアプローチ方法を理解しているか

役割や目標の理解

インサイドセールスの役割や目的を正しく説明できるか

スキル

コミュニケーションスキル

会話の中で相手の話をよく聞き、適切な返事や質問ができているか

関係構築スキル

顧客と良好な関係性を構築できているか

プレゼンテーションスキル

自社商材の特徴や魅力を分かりやすく伝えられるか

電話応対スキル

電話応対の基本スキルが身についているか、スムーズに会話を進められるか

ツール操作スキル

業務ツールを使いこなせているか

その他

タイムマネジメント

効率的に業務を遂行できているか、期限内に完了できているか

フォローアップ

適切なタイミングで顧客のフォローアップやサポートが行えているか

チームワーク

チームメンバーと協力し合えているか

 

項目ごとに習熟度を評価することで、担当者は自身に足りない知識やスキルをはっきりと認識することができます。習熟度の確認を定期的に行い、担当者一人ひとりが改善をしていけば、結果的にインサイドセールス部門全体のレベルアップにつながります。

 

6. さらなるスキルアップを目指す

より良い結果を出すためには、継続的なトレーニングやフィードバックが必要です。一度きりで終わるのではなく、定期的な実施を計画しましょう。

 

また、顧客対応の成功事例やノウハウを共有することも、有効な取り組みです。効果的なアプローチの仕方や電話応対のコツなどを各自が業務に取り入れることで、インサイドセールスの成果向上が期待できます。

 

インサイドセールスの人材育成を成功させる3つのポイント

ヘッドセットをつけた指差しポーズの女性

インサイドセールスの人材育成を成功させるためのポイントを紹介します。

 

オペレーションの統一・標準化を図る

人材育成の取り組みに入る前に、インサイドセールスのオペレーションを整備しましょう。営業アプローチの仕方や架電時のトークスクリプトを統一すると、経験の浅い担当者でも一定水準の品質で業務を遂行できます。効果的なオペレーションを構築できれば、インサイドセールスチーム全体の営業力の底上げにつながります。

 

ナレッジやノウハウを共有する

インサイドセールスのナレッジやノウハウを積み上げ、チームで共有することも、人材育成において大切なことです。インサイドセールスで成果を出し続ける人は、顧客対応を円滑に進めるテクニックやコツを得ているものです。そのような有益な情報を集約・蓄積し、人材育成に活用していくことで、全体の営業スキルを引き上げることができます。

 

様々な育成手法を検討する

インサイドセールス人材の育成には、色々なやり方があります。担当者の経験やレベルに応じて、適切な手法を選択しましょう。

 

<インサイドセールス人材の主な育成手法>

・ロールプレイング

・OJT

・実務のモニタリング

・研修、勉強会

・1on1ミーテイング

 

人材育成の過程では、課題や改善点にばかり目が行きがちですが、良い点を言葉に出して伝えることも大切です。優れている部分を褒めることは、担当者のモチベーションアップやパフォーマンス向上につながります。

 

インサイドセールスの人材育成を外部委託する方法も

オペレーターの研修中の女性

インサイドセールスの人材育成の取り組みをする際、社内で実施する方法と外部に委託する方法の2つの選択肢があります。どちらを選ぶか迷った時は、ノウハウの有無やコスト、育成にかける時間などで判断するといいでしょう。

 

<社内実施の判断ポイント>

・インサイドセールスのノウハウが確立されている

・既に育成体制がある

・指導できる人材がいる

・長期的な視点で人材育成を進めたい

 

<外部委託の判断ポイント>

・社内にインサイドセールスのノウハウがない

・人材育成の予算を確保できる

・短期間で成果を出したい

・インサイドセールスを強化したい

 

判断をする上で、ノウハウの有無は特に重要なポイントとなります。インサイドセールスの新規立ち上げで社内に全くノウハウがない場合や、早急に営業力を強化したい場合などは、外部委託を選択する方が効率的といえるでしょう。

 

インサイドセールスの人材育成によって得られる効果

机上のグラフ資料と虫眼鏡

インサイドセールスの人材育成による効果やメリットを解説します。

 

商談化率や成約率の向上が期待できる

人材育成の取り組みによって、担当者に十分な知識やスキルが身につくことで、商談化率や成約率の向上が期待できます。実力のあるインサイドセールス人材が揃えば、継続的に成果を上げられます。

 

部門間・メンバー間の連携が強化される

人材育成の研修では、インサイドセールスの立ち位置や役割についても学びます。フィールドセールス部門やマーケティング部門とのつながりや、チームで協力し合うことの重要性を知ることで、メンバー間の連携意識が高まります。組織内の協力関係が強化されると情報共有が活発になり、成果に良い影響を与えられます。

 

人材育成が効率化する

人材育成が成功すれば、その取り組みが効果的なものであったという証明になります。実施した内容をカリキュラム化するなど、人材育成の仕組みを整備しておけば、今後も繰り返し活用できます。カリキュラムの内容を適用するだけで人が育つため、人材育成が効率化します。

 

カリキュラムは定期的にブラッシュアップすることが大切です。質を高めていくことで、迅速な知識習得や営業力の強化につながります。

 

インサイドセールス人材を新規採用する際のチェック項目

ヘッドセットをつけて対応する若手男性

最後に、インサイドセールス人材を新しく採用する際のチェックポイントを紹介します。

 

業務経験

インサイドセールスの経験者は即戦力となりますが、採用が難しいのが現状です。未経験者を採用する場合は、営業やカスタマーサクセスの経験者など、インサイドセールスと近いポジションの仕事に携わった経験のある人材に注目するのがおすすめです。コールセンターやテレマーケティングなど、電話を使った顧客対応の経験がある人材も、業務への適応が早いでしょう。

 

スキルや能力

インサイドセールスは非対面で営業活動を行うため、コミュニケーション能力や電話応対スキルが不可欠です。その他にも、ヒアリング力や分析力、情報収集力、タイムマネジメント能力など、幅広いスキルが求められます。

 

性格面の適性

インサイドセールスは向き不向きがある職業なので、性格面の適性も大切なチェックポイントとなります。

 

<インサイドセールスに向いている人の特徴>

・コミュニケーション能力に長けている人

・電話応対に苦手意識がない人

・ポジティブな性格な人

・気持ちの切り替えが早い人

・目標に向かってコツコツ努力できる人

・主体的に業務に取り組める人

・テキパキと効率的に仕事を進められる人

 

インサイドセールスの成果向上には人材育成の取り組みが必須

この記事では、インサイドセールスの人材育成について解説しました。インサイドセールスで成果を上げるためには、担当者のスキルアップが不可欠です。一定のスキルを身につけた後も、定期的にトレーニングやフィードバックを実施し、担当者の能力向上を図ることが必要になります。インサイドセールスは上手くいかないことも多くあるので、時には励ましたり良い点を褒めたりして、担当者のモチベーションを保つことも大切です。

 

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