2024年12月9日公開
最終更新日:2024年12月9日
インサイドセールスが病むといわれる理由とは? やりがいや辛いときの対応策も解説!
インサイドセールスは時折、その大変さや責任感から心が病むといわれることがあるようです。営業職の一種であり、病みそうな気分になることがないとはいえないものの、インサイドセールスそのものは病んでしまうことに直結するような職種ではないといえます。
この記事では、インサイドセールスが病むといわれる理由とともに、やりがいや対応策などについて解説します。
▼インサイドセールスの概念、基本的な考え方や活動内容についてはこちらの記事で総合的に解説しています。
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
インサイドセールスが病む職種というわけではない
インサイドセールスという職種は、数多くある一般的な職種、仕事の一つであり、本来病むような仕事内容や立場ではありません。
インサイドセールスは営業職の一種
インサイドセールスはその名にセールスとあるように営業職の一種であり、何か特殊な仕事をするわけではなく、自社の商品やサービスを売り込む営業プロセスの分業化で、前半部分を担当する職種です。肉体を酷使する仕事でもなければ、一人でずっと何かを考えていなければならない職務でもありません。
しかも所属企業のオフィス内にある自席、またはリモートワークの自宅やサテライトオフィスなどで落ち着いて働くスタイルです。とくに病むような環境におかれているわけでもないといえます。
インサイドセールスは連携で仕事を行う
インサイドセールスは営業プロセスの分業により、前後のマーケティング担当やフィールドセールスと連携して仕事をします。チームで協力しながら目標達成に向かう仕事であり、重要なポジションではあるものの、単独で重荷を背負うわけではありません。また、インサイドセールス部門には、同じ職種の仲間がいて、孤独な立場に置かれることもないといえるでしょう。
インサイドセールスが病むといわれる8つの理由
ではなぜインサイドセールスが病むといわれることがあるのでしょうか。その主な理由を8つ紹介し解説します。
仕事の量が多い
インサイドセールスは単純に業務量が多すぎて、心身ともに疲れるケースが少なくないことから、病むといわれることがあるようです。業務量の多さは、インサイドセールスが内勤営業であることと密接な関係があります。一般的にイメージする外勤営業が顧客間の移動で時間をとられ、訪問件数が伸びない可能性があるのとは対照的に、移動時間ゼロであることから多くの顧客を抱えてしまうためです。
しかも、進捗状況が異なる案件を複数、同時進行で処理する必要があり、マルチタスクに慣れていないと疲労がたまりかねません。
周囲に仕事を理解されない
インサイドセールスは毎日、社内にいて電話やメール、電子会議システムといったコミュニケーションツールを使って顧客とやりとりしています。その姿をインサイドセールスについて知識が乏しい周囲から見れば、営業とはいうものの顧客と会うわけでもなく、契約を取ってこないといけないわけでもなく、楽な仕事に見えることがあるようです。楽をしているわけではないのに周囲に理解されないストレスが、病むといわれる状況を生み出している部分があります。
顧客の言動が冷たい
インサイドセールスの仕事では、初めからホットな見込み客を相手にすることはほとんどありません。多くが初接触となる顧客で、これから信頼関係を構築してフィールドセールスに引き継げるレベルまで育成する必要があります。つまり、顧客は必ずしもインサイドセールスに好意的とは限りません。
また、対面しないで行う営業活動は熱心でない、誠意がないと受け取られることがあります。そのため、初めのうちはあまり信頼してもらえず邪険に扱われたり、無理難題を言われたりしがちです。表情が見えないため言葉がきつく感じられることがあり、顧客の冷たい言動に心が折れそうになることが、病むといわれる原因の一つだといえます。
インサイドセールスとは名ばかりで実際はテレアポだった
インサイドセールスとは名ばかりで、実際に与えられた業務は営業担当者とはほど遠いテレアポだったといったケースでは、落胆から病んでしまうケースがないとはいえません。また、テレアポは数が勝負といわれており、朝から晩まで毎日のように、一覧表に載っている番号に電話を掛け続けることで、嫌気がさしてしまうこともあります。
案件の高度な知識を求められる
インサイドセールスは対面で商談を行う時期になればフィールドセールスに引き継ぎます。詳細な説明はフィールドセールスの仕事ですが、同じ営業職である以上、フィールドセールスと同等レベルの知識を求められることがないとはいえません。そうでなくても非対面で細かい内容の説明をするのは厳しいところ、マルチタスクで多くの顧客と向き合っているうえに、高度な知識まで求められるとあっては気持ちがついて行かなくなる可能性もあるでしょう。
KPIに妥当性がない
KPIの設定が妥当とはいえないものの場合、目標達成のプレッシャーばかりが強くなってしまいます。インサイドセールスが担当するプロセスはやることが多く、ついついそのほとんどでKPIを設定してしまいがちです。さらに、他の業務があるなかで毎日50件以上のアプローチなどといったKPIを設定すると、オーバーワークになったり、数合わせに苦心したりします。
部署間の調整が難しい
分業制で営業活動を行ううえで、インサイドセールスはマーケティング担当やフィールドセールスとの調整が不可欠です。フィールドセールスに引き継ぐタイミングの問題や引き継いだ顧客の質への不満といった問題は連携不足で起こりがちです。反響型のインサイドセールスにおけるリードの質はマーケティング担当の範疇といえますが、フィールドセールスとの間に入ってしんどい思いをするなど、関連部署間の調整で疲弊するケースもあります。
相談できる人がいない
分業制におけるインサイドセールスは、比較的新しい職種・仕事であり、詳しい人が少ないため、我流で業務にあたらなければならないケースが珍しくないようです。社内に誰も相談できる人がいないとなれば、業務の進行に支障をきたす可能性があるだけでなく、孤独感が強くなってしまいます。
インサイドセールスに向いていない人は病む可能性がある
インサイドセールスにも向き不向きがあるため、向いていない人がこの職に就くと病む可能性がある点は否めません。どのような特徴の人が向いていないのかを解説します。
人とコミュニケーションをとるのがうまくない
人とコミュニケーションをとるのがうまくない人はインサイドセールスに向いていません。インサイドセールスは非対面で顧客との関係を深める仕事であり、顔が見えなくても良好な関係を構築できるコミュニケーション能力が求められるためです。コミュニケーションがうまくない人には病む原因になる可能性があります。
結果が出ないと焦る人
インサイドセールスは中長期的な視点で顧客を育てます。短期で結果を出す仕事でないため、結果が出るまでに時間がかかるものです。すぐに結果に結びつかないことをストレスに感じたり、焦ったりする人はインサイドセールスに向いておらず病む可能性があります。
失敗が怖い人
インサイドセールスも営業である以上、すべてが成果に結びつくわけではなく、冷たくあしらわれることや、途中まで手ごたえのあった案件が潰れたりすることは日常茶飯事です。したがって、失敗が怖い人はインサイドセールスに向いていません。失敗が続くと恐怖心が強くなり病む可能性があります。
自分のこだわりが強い人
どんな仕事でもなかなか自分の思うようにはいかないものです。こだわりが強い人が仕事や周囲を自分に合わせようとすると期待どおりにならないケースが多く、向いていないといえます。そもそもインサイドセールスは連携する他部署や顧客相手の仕事であり、こだわりが強かったり、完璧を目指したりすると病んでしまう可能性があるでしょう。
結果より過程を重視する人
インサイドセールスはあくまでも営業であり、結果が求められます。過程は大事ですが、過程ばかり重視して結果が出ないと評価されません。プレッシャーばかりが大きくなり、病んでしまう可能性があります。
▼インサイドセールスにどのような人が向いているかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
インサイドセールスに向いてる人、不向きな人の特徴とは? 求められるスキルや適性も紹介
病む心配の前に知っておきたいインサイドセールスのやりがい
場合によっては病みそうになることがあるインサイドセールスですが、以下に示すようにやりがいが大きい仕事です。
達成感とフィードバック
フィールドセールスに引き継いだ案件がうまく成約に結びつくと、個人としてもチームとしても達成感を得られます。自分が一から育てた顧客だからこそ、うれしさもひとしおです。一案件でもそうですが、トータルで目標をクリアすればなおさらです。苦労した記憶があれば、より大きなやりがいにつながるでしょう。また、結果にかかわらずフィードバックのなかから次のステップへのヒントを見出すこともあるなど、やりがいを感じられるシーンは少なくありません。
成長を感じられる
インサイドセールスはやることが多く、始めたばかりの初心者には難しいと感じることも少なくないといわれています。そんななかでも頑張って続けることで、経験値が上がり以前はうまくできなかったことができるようになったり、自分なりのノウハウが確立されたりといった瞬間に感じるやりがいも大きなものです。感覚的な成長だけでなく、数字で結果が出る架電数や会話成功率、有効商談数、受注率などのKPIであれば、よりハッキリと感じられます。
顧客からの感謝
顧客からの感謝はインサイドセールスにとって大きなやりがいです。営業担当者ではあっても、営業プロセスの途中で顧客の担当を外れるインサイドセールスは、フィールドセールスとは違い成約の形で課題を解決し、顧客の役に立つケースはあまりないといえるでしょう。しかし、時間をかけて信頼関係を構築し顧客課題に対する糸口を見つけたときなど、顧客から感謝されることがあります。そのときに感じるやりがいはインサイドセールスならではです。
▼インサイドセールスのやりがいや楽しさについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスで病まないためにできること
インサイドセールスで病まないためには、第一に病む理由となり得る事柄を取り除くことです。ここでは個人で、会社でできる対策を具体的に解説します。
定期的に意見交換を実施する
部署間の調整がうまくいかないケースや、周囲の理解が得られないケースでは、現状をしっかりと共有することで回避できる可能性があります。とはいえ、共有と改善のための動きをできるときにやるというのでは不十分です。会社が音頭を取って定期的に意見交換を実施することで認識の違いを修正します。
意見交換とはいっても思っていることを出し合うだけでなく、現実の連携状況を細かく検証することが重要です。たとえば、引継ぎのタイミングが合っていたか、共有すべき情報はすべて共有されていたかといった確認をします。
KPIを適切に設定する
インサイドセールスに求められるものは何かを正確に理解し、評価が正しく行えるよう、KPIの設定が妥当か否かを検討します。妥当でないと判断されれば適切な設定に修正することが重要です。注意点として、あまり多くの項目を設定しないようにします。
PDCAを回す
PDCAを回すことで、業務における改善策が見つかり、反応の悪かった顧客の反応がよくなることで、コミュニケーションの悩みが改善に向かうでしょう。また、結果が出るようになれば前向きになれます。
知識を得る
知識不足や経験不足が思い当たる場合は、必要とされる知識の習得に励みましょう。不足している物を補うことで、状況が変わり病みそうな空気が消える可能性があります。経験不足は知識だけでは補えないため、地道な活動を続けることが重要です。とはいえ、自分一人では難しい、辛いといったときがあるかもしれません。そんなときは過去の資料にあたったり先人の知恵を借りたりするとよいでしょう。
マニュアル化や1on1の実施
自分で何とかしろ的な業務進行ではなく、誰もが共通してできる、成果を上げやすくなるようなノウハウのマニュアル化や、悩みを解決できる1on1の実施など、会社が組織としてできる支援策は様々ありそうです。
インサイドセールスで辛いときに病まないための気持ちの持ち方
インサイドセールスで病むという場合、気持ちにダメージを受けていることが考えられます。逆にいえば、気持ちの持ち方によって乗り切れるケースは少なくないでしょう。
失敗続きでも成功のためのステップ
前述のとおり、インサイドセールスの仕事は短期で結果が出るものではありません。また、アプローチした顧客がすべて成果につながるわけでもなく、失敗に終わるケースは少なくないでしょう。とくに新規開拓型で電話を掛けても掛けてもアッサリ断られることが続けば、辛くなるのも無理はないといえます。しかし、失敗したからといって沈んでいても、何も得することはありません。今日の失敗が明日の成功につながると考えて、失敗を気にし過ぎないようにしましょう。
インサイドセールスも営業である以上、顧客に酷い対応をされることがあります。成功はそういった経験の積み重ねの先にあるともいえ、辛いと思うことがあっても成功が近づいていると考えれば楽になることも。それでも気持ちが沈みそうなときは、成功につながらない顧客をふるいにかけることができたくらいに考えれば楽です。
自分が成長している
非対面とはいえ、毎日属性の異なる大勢の顧客と会話をすることでコミュニケーション能力やヒアリング力に磨きがかかります。その結果、営業力もアップするでしょう。その他にもITツールの操作や情報分析、顧客の業界に関するさまざまな知見を得るなど、自分が成長していることを認識することで不安が消え、自身が持てれば病みそうな空気も消えるでしょう。
一度立ち止まって考えてみる
インサイドセールスの仕事をするなかで、病みそうなほど辛いと思うことがあるなら、無理してそのまま続けることは考えものです。この先の自分はどのような姿になっているのだろうかと想像し、続けることのメリットとデメリットを比べてみるのもよいでしょう。インサイドセールスを続けるにしても、一度立ち止まって自分にとってどのような働き方がよいのかを考えること、自分が進む道を選ぶのは自分であることを再確認することも必要になります。
インサイドセールスは辛いこともあるが自分を成長させるやりがいのある仕事
インサイドセールスは病むといわれることがあります。しかし、仕事に付きものの厳しさはあるものの、病む状況は限られているといえるでしょう。また、病まないための対策や気持ちの持ち方もあります。
何より、インサイドセールスは自分の成長につながるやりがいのあるおすすめの仕事です。病むことをおそれるよりも、試してみる価値はあるかもしれません。
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