2025年6月1日公開
最終更新日:2025年6月8日
投稿者:9Eキャリアインサイドセールス編集部

インサイドセールスの架電数(コール数)の平均は? KPIや目標の設定方法を解説

インサイドセールスにおいて、架電数(コール数)は成果を左右する重要なKPIの一つです。状況に合わせた数値を目標にすることで、モチベーションが上がり、目標達成率も高まるでしょう。一方で、「1日に何件かければいいのか」「平均的なコール数はどのくらいか」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、インサイドセールスにおける平均的な架電数や、KPI・目標を設定する際の考え方、実行につなげるポイントをわかりやすく解説します。

 

インサイドセールスにおける架電の重要性

商談で握手している手

まずは、インサイドセールスとはどのような営業活動を指すのか、またインサイドセールスにおける架電はどういうプロセスにあたるのかをご紹介します。

 

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議などのコミュニケーションツールを用いて、非対面で営業活動を行う手法です。インターネットの普及や技術革新により、対面でなくても顧客と円滑にコミュニケーションを取れる環境が整備されたことで、従来のように営業担当者が顧客先に訪問するのではなく、オフィス内から効率的にアプローチできるインサイドセールスに注目が集まっています。

 

マーケティングから得られた新規顧客の商談を獲得するだけでなく、既存顧客を育成するのもインサイドセールスの役割です。過去に成約しなかった顧客へのリードナーチャリングを通じて顧客との信頼関係を深め、商談の確度を高めてからフィールドセールスに引き継ぐという役割も担っています。

 

▼インサイドセールスの基礎知識については、こちらの記事で詳しく解説しています。

「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!

 

インサイドセールスにおける架電とは

架電はインサイドセールスにおける主要な営業活動の一つです。IT技術の進歩により顧客とのコミュニケーションチャネルは多様化していますが、顧客との会話のなかからニーズを把握し顧客の関心を引き出す架電は、現代でも重要な役割を担っています。

 

特に、インサイドセールスでは商談の獲得だけでなく、顧客との長期的な関係性構築も重要視されます。いかに架電から顧客との関係性構築のファーストステップをつくり、今後のアクションにつなげていけるかで、営業活動の成果は大きく変わってくるでしょう。

 

▼インサイドセールスにおける架電の詳細は、こちらの記事で詳しく解説しています。

インサイドセールスの架電やテレアポのコツは? 具体的な流れや商談化のポイントも紹介

 

インサイドセールスの架電数の平均や目安は?

グラフとビジネスパーソン

インサイドセールスの架電営業数の平均はどの程度なのでしょうか。株式会社immedioが発行している「インサイドセールス白書2025」によると、2025年のインサイドセールスの1日あたりの架電数は平均34件となっており、2024年の26件から増加しています。1日の就業時間の中で、架電以外の営業活動やデータ入力、日報作成などの業務も必要なことを考えると、決して少なくない業務量と言えるでしょう。

 

一方で、すべての架電が顧客とつながるわけではありません。amptalk株式会社の「Zoom Phoneによるインサイドセールスの架電レポート」によると、複数産業への架電実績をまとめた結果、1秒以上通電(顧客に電話がつながり何らかの応答を得られた)確率は約50%でした。また、2分以上通電し、実質的な顧客とのコミュニケーションが取れていたと思われる確率は約20%という結果が出ています。

 

企業の業界や商材などによって最適な架電数は異なりますが、単純な架電の数値目標だけでなく、会話の質や商談獲得率などの質的指標とのバランスも重要です。架電数の他に複数のKPIを組み合わせて、量と質両方の向上を図りましょう。

 

インサイドセールスの架電における主なKPI

色々な資料をながめる男性

では、インサイドセールスの架電に関するKPIにはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なKPIをご紹介します。

 

架電数

顧客に電話をかけた回数を表すKPIです。相手が電話に出たかどうかにかかわらず、発信した通話の件数すべてをカウントします。成果を出すには一定の行動量が必要です。架電数を把握することで、営業活動のボリュームを把握でき、行動量が不足していないかを確認できます。ただし、架電数だけを追いかけても成果につながらない可能性があるため、他のKPIと組み合わせて活用することが重要です。

 

通電数・通電率

架電数に対して、実際に相手につながった架電の件数・割合を指します。通電数・通電率のKPIは、アプローチのタイミングやリストの精度が適切かどうかを判断する際によく利用されます。通電数や通電率が低い場合、架電する時間帯が適切でない、応答しない顧客に繰り返し架電しているなどの可能性があります。

 

有効架電数・有効架電率

架電のうち、実質的な会話が成立し、顧客ニーズのヒアリングや顧客への提案など、価値のある通話が成功した件数・割合を指します。質の高いアプローチができているかを測定する際に有効な指標です。

 

通電数・通電率が悪くない数字にも関わらず、有効架電数・有効架電率が少ない場合は、架電における話し方やトークスクリプトなど、架電の質を見直す必要があるでしょう。どのような会話ができたら有効架電とみなすかによって数値が異なってくるため、自社内やチーム内で定義を明確化しておくことも重要です。

 

商談獲得数・商談獲得率

架電を通じて商談のアポイントメントが設定できた件数や割合を指します。架電営業の主要な目的の一つが「商談の獲得」です。他のKPIと照らし合わせることで、行動の絶対量が足りない、顧客の課題・ニーズが把握できていない、クロージングができていないなど、何が原因で商談獲得につながらないのかが判断できます。

 

有効商談数・有効商談率

商談のなかでも、相手が導入に意欲を示している、明確な検討フェーズにあるなど、成約の確度が高い商談につながった件数や割合を指します。リードナーチャリングの役割も担うインサイドセールスにおいては、成果に貢献する商談をどれだけ生み出せたかも重要な指標になります。

 

これらのKPIを組み合わせて運用することで、インサイドセールスの業務を定量的に把握でき、行動と成果の因果関係を分析しやすくなります。架電の効果を高めるためにも、明確なKPIを設定して運用していきましょう。

 

インサイドセールスで架電数のKPIを設定するメリット

MERITと書かれたメモ帳

インサイドセールスの架電はとても大切な営業手段の一つではありますが、単純に架電数を増やせば成果向上につながるかというとそうではありません。しかし、架電数をKPIとして設定することには大きなメリットがあります。

 

架電数は、日々の行動として最もシンプルかつ管理しやすい指標であり、営業担当者にとって「何をすべきか」を明確にする指標です。行動量が明確になることにより、新人や経験の浅いメンバーでも目の前のタスクに集中しやすくなり、営業活動を習慣化できます。また、架電数をKPIとして管理し、1日、1週間、1か月間でどれだけの行動をしてきたかが可視化されることで、営業担当者の達成感やモチベーションアップにもつながるでしょう。

 

ただし、架電数だけをKPIにすると、数をこなすことが目的化し、質の伴わない営業になってしまう恐れがあるのも事実です。成果につながらない架電を重ねても、業績アップにはつながらず、営業担当者のモチベーションも上がりません。架電数とあわせて他のKPIを設定することで、量と質の両面をバランスよく管理するようにしましょう。

 

インサイドセールスにおける架電数の目標設定の考え方

ゴールと書かれた積木

インサイドセールスにおける架電営業の成果向上・改善を図るためには、架電数のKPIを設定しつつ、その他のKPIを設定して活動の質を管理することが重要です。しかし、やみくもに架電数の目標値を設定してしまうと、無理のある行動計画になったり、成果と結びつかない行動に偏ったりするリスクがあります。ここでは、効果的な架電数のKPIを設定するための考え方をご紹介します。

 

KGIから逆算する

まずは、最終的な目標であるKGI(重要目標達成指標)から逆算して、必要な行動量を設定します。例えば、「月に10件の受注を獲得する」というKGIがある場合、10件の受注獲得に必要な有効商談数、商談数、有効架電数、通電数と順を追って逆算していきます。

 

これまでの実績データを参考に、有効商談から実際の受注につながる割合、商談のうちの有効商談の割合などのコンバージョン率をふまえて必要な数値を算出しましょう。最終的に「1日あたり〇件架電すれば、KGI達成につながる」という形で、根拠のある目標数値を導き出すことができます。

 

業界や商材ごとの架電数平均・応答率をふまえて目標架電数を設定する

架電から受注につながる割合は、業界や商材、営業スタイル(BtoB、BtoC)などによって異なります。「インサイドセールスの架電数の平均や目安は?」の項目でご紹介したような、インサイドセールスのレポートなどを確認し、自分の営業環境であればどれぐらいの数値が平均になるのかを確認してみましょう。

 

平均的な数値と比較することで、これまでの実績に縛られない目標設定ができます。また、自身の営業活動における改善点や強みの発見にもつながり、成果を獲得するためにどの行動にフォーカスしていくかを考える材料にもなります。

 

上司や隣接部門からのフィードバックを受ける

設定したKPIに対して、上司やフィールドセールスなどの隣接部門からフィードバックを受けることも重要です。上司や現場の声を取り入れることで、実態に合った目標を設定しやすくなります。

 

例えば、フィールドセールス側で「質の高い商談が少ない」といった課題がある場合、有効架電や有効商談の比率もあわせて見直す必要があります。目標は現場で運用されてこそ意味があるため、数字だけで決めず、関係者とのすり合わせを行うことがKPI達成への近道です。

 

▼インサイドセールスの目標設定については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

インサイドセールスの目標の設定方法とは? KPIの項目や目標達成のコツを解説

 

設定した架電数のKPIを成果につなげるポイント

人差し指を立てるビジネスウーマン

架電数のKPIを設定することは、営業活動を見える化し、改善や成長につなげるための第一歩です。しかし、架電数のKPIはあくまで目安であり、他のKPIも含めてどう活用するかによって成果が大きく変わります。ここでは、架電数のKPIを実際の成果につなげていくための具体的なポイントをご紹介します。

 

他のKPIをふまえて振り返りを行う

一定期間ごとに、架電数の実績と通電率、有効架電率、商談化率といった他のKPIをセットにして振り返り、架電の評価・分析を行いましょう。例えば、1日あたりの架電数が目標を上回っていたとしても、通電率が極端に低ければ、架電の時間帯やリストの精度に改善の余地があります。

 

振り返りの際は、各KPIの数字を確認するだけでなく、「なぜこの結果になったのか」「次にどう改善するか」という視点を持つことが重要です。週次や月次で振り返る習慣をつけることで、行動と成果の因果関係を把握しやすくなります。

 

ロールプレイングやトークスクリプトの見直しをする

架電数や通電数に対する有効架電数、商談数が少ない場合には、話し方や伝え方に原因があるかもしれません。架電営業では、限られた時間で相手に興味を持ってもらう必要があるため、話し手の雰囲気や話の展開の仕方が非常に重要です。

 

ロールプレイングで声のトーンや話すスピードを調整したり、トークスクリプトを見直して話の進め方や顧客の要望の拾い方を整理したりすることで、成果を改善できる可能性があります。成果が出ているメンバーのトークスクリプトを組織内で共有することも有効でしょう。

 

▼インサイドセールスのトークスクリプトについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

インサイドセールスのトークスクリプトとは? 営業活動を成功に導く効果的な作成方法や例文を紹介

 

オートコールなどの支援ツールを活用する

KPIの達成には、一定の架電量の確保に加え、通話内容の質の分析・改善が必要になりますが、すべてを手作業で進めるのには限界があります。適宜ツールを活用し、効率的に業務を進められる環境を整備するとよいでしょう。例えば、架電を自動で実施できるオートコールや営業活動に関する多数の情報を管理できるSFA(営業支援システム)などのツールがおすすめです。

 

オートコールを使えば、1件ごとに番号を手入力する手間が省け、短時間で多くの架電をかけることが可能になります。また、通話内容の録音や通電状況の自動記録といった機能があるため、通話の記録・分析もスムーズになります。

 

定期的にKPIの見直しをする

KPIは定期的に見直しをしましょう。市場環境の変化や商品・サービスの見直し、チームの体制変更などによって、営業の進め方や目標が変わることはよくあります。特に、市場のニーズや新しい価値観創出のスピードが速まっている現代では、過去のKPIに固執せず、状況に合わせた柔軟なKPIを設定することが重要です。

 

また、KPIが形骸化していたり、現場のモチベーションを下げていたりする場合にも注意が必要です。現場にそぐわないKPIを設定したまま放置すると、行動と成果がかみ合わなくなり、チーム全体の生産性が低下してしまいます。四半期ごとやプロジェクトの節目など、定期的なタイミングでKPIの妥当性を検証しましょう。

 

架電数のKPIを達成し続けるためのコツ

タスクリストとチェックマーク

安定した成果を得るためには、KPIで設定した架電数を達成し続けることが大切です。しかし、行動の積み重ねの重要性は認識しているものの、思うように動けない時があるという方も多いのではないでしょうか。毎日多くの電話をかけ続けるのは決して簡単なことではなく、継続のためには工夫が欠かせません。ここでは、架電数のKPIを達成し続けるためのコツをご紹介します。

 

BANTCH情報を整理した架電リストを作成する

やみくもに電話をかけても、時間と労力を無駄にしてしまう可能性があります。むげに通話を切られると、モチベーションの低下にもつながります。その対策として重要なのが、架電する前の事前準備です。

 

事前に顧客のBANTCH情報(Budget、Authority、Need、Timing、Competition、Human)を整理した架電リストを作成し、リストをもとに架電のターゲットを決めることで、効率的かつ成果に直結するアプローチが可能になります。また、見込みの薄い顧客に架電する際にも、初めから見込みが薄いことがわかっているため、心の準備ができます。

 

シーンに応じたトークスクリプトや資料を用意しておく

リストの作成と合わせて重要な事前準備が、トークスクリプトや資料の作成です。相手の職種や立場、趣味関心などによって効果的な通話内容は異なります。とっさの対応で慌てないよう、状況に応じて複数のトークスクリプトや資料を用意しておきましょう。

 

例えば、「情報収集中の担当者向け」「導入検討中の決裁者向け」など、具体的なターゲットを想定したスクリプトや資料があれば、会話がスムーズに進みやすく、すぐに資料の提供もできます。焦って対応すると余計な疲労につながるため、柔軟に話を展開できる準備が大切です。

 

架電をルーティンに組み込む

架電数のKPIを安定して達成するために、架電そのものを日常業務の中に組み込み、ルーティン化するとよいでしょう。具体的には、架電する時間を決める、1回でつながらなかった相手へ再架電するタイミングを決めておくなどのルールを決めておくことがポイントです。ルールがあらかじめ定まっていれば、あとはルールに従って実行するだけです。「やれるときにやる」ではなく、「必ずやる時間」を作ることで、習慣化につながります。

 

モチベーション維持の工夫を行う

日々の架電業務は、精神的にも体力的にも負担がかかります。モチベーションを維持するためにも、1日の目標件数を達成したら自分にご褒美を用意する、週ごとに成果を可視化してチームで共有するなど、小さな達成感を積み重ねる工夫が大切です。メンバー同士で成功体験を共有しあうことも、チーム全体のモチベーションアップにつながるでしょう。

 

上司やチームからの協力を得る

業務を行っていると、どうしてもモチベーションが上がらなかったり、失敗を恐れて電話をかけるのが怖くなったりすることもあるでしょう。その場合は、上司やチームを頼って、協力を得ることが重要です。自分一人でなんとかしようとせず、悩みや課題を共有することで、それ自体が不安やストレスの解消につながることもあります。

 

負担の少ない業務の進め方やモチベーション維持の仕方は人によって様々です。色々なやり方を試し、自分なりのコツを見つけていくとよいでしょう。

 

架電数のKPIを設定して成果の向上を

インサイドセールスの成果を向上させるためには、行動の量と質を可視化するKPIの設定が必要になります。特に、架電数のKPIは、目の前の行動に直結しやすく、日々の営業活動の軸となる重要な指標です。

 

通電数や商談数などのKPIと組み合わせて運用することで、質と量の両面から成果を伸ばすことができます。継続的な振り返りと改善を通じて、設定したKPIを成果向上の仕組みとして活用していきましょう。

 

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