2025年5月31日公開
最終更新日:2025年5月31日
インサイドセールスを辞めたい……限界を感じたときの対処法とセカンドキャリアに向けた転職準備
インサイドセールスを辞めたいと考えるときは、一時的なものか本当にそう感じているのかを分析してみましょう。「辞めたい」と勢いで退職をすると後悔してしまうかもしれません。ただし、業務量の多さや他部門との板挟みなどから、心身ともに限界を迎えてしまうケースもあるでしょう。
この記事では「インサイドセールスを辞めたい」という限界状態から抜け出すために、退職を検討すべきサインや、セカンドキャリアの見つけ方について解説します。前向きに辞めるための転職ガイドとして参考になさってください。
インサイドセールスを辞めたい理由
インサイドセールスを辞めたいと考える人は少なくありません。まずは多くの人が辞めたいと感じる理由について解説します。
架電件数や目標に追われて辛い
インサイドセールスが日々の業務でストレスを感じるものに「KPI(重要業務評価指標)があります。おもに架電件数やアポ獲得数が設定されており、1日で100件以上のKPIが設定されているところも。電話で担当者と話ができることも少なく、冷たい対応に心が折れそうななかでも目標件数の達成が求められます。
これらのKPIを達成するまでに戦略を立てて、見込み顧客を育成するといった多くの業務もこなさなければなりません。戦略立案やナーチャリング業務にもそれなりの時間を要します。工夫や努力を評価する体制が整っておらず、数字に追われる環境が続くと心身のバランスを崩しがちです。
評価基準があいまいでやりがいが見出せない
営業体制の分業化は新しい手法のため、導入したばかりの企業も少なくありません。そうした企業では、評価基準があいまいなことも多くあります。
数値化しやすいKPIは評価されるものの、顧客理解を深めるための努力やプロセスは評価してもらえないケースが多いのです。たとえば1日の業務で関係構築や潜在ニーズの掘り起こしが中心だった場合、何もしていないことになります。
苦労してナーチャリングしてアポを獲得しても、その苦労や努力は評価の対象にならないのです。さらに商談が成立した場合、手柄がフィールドセールスのものになることもあります。適正に評価されないことで「どうせ頑張っても報われないし」とモチベーションが低下してしまうのです。
他部署との板挟みで辛い
インサイドセールスは、マーケティング部門やフィールドセールス部門と連携が必須です。部署間の橋渡し役として活動するわけですが、ときには板挟みになることもあります。
マーケティング部門から渡されるリードの質が低く、ナーチャリングに時間がかかっているのにフィールドセールスからアポ獲得を詰められるといった状況です。成果の責任だけを負わされる状態になります。
こうした理不尽で過度な責任を負わされる状況で、さらに正当な評価もされないと「インサイドセールスを辞めたい」と考えてしまうのも無理はありません。
インサイドセールスを本当に辞めたほうがよいサイン
「インサイドセールスを辞めたい」と思っていても、すぐに退職の判断をするのは不安がありますよね。しかし、体や心に明らかな異変が起きているなら、それは限界を超えているサインかもしれません。真剣に退職を考えたほうがいい具体的なサインを紹介します。
出社や業務開始前に辛くなる
朝起きるのが辛いときや、業務が始まると吐き気がするなど、仕事に対して身体的な強い拒否反応がある場合、限界が近づいているサインです。精神的なストレスが一定ラインを超えると、体にも不調として現れます。
休日にリフレッシュをして一時的に良くなることはあるでしょう。しかし、根本的な要因が解決していないため、我慢が続くとそのうち休日にも不調が出てくるケースも少なくありません。もし、仕事を始める前にこうした状態に心当たりがあるなら、自分を守るために退職を真剣に考えてみましょう。
心身の不調を軽くみてはいけません。次のキャリアを考えられるうちに行動することが大切です。
日常的に気持ちが沈んでいる
仕事中だけではなく、休日やプライベートな時間でも気分が落ち込み、何をしても楽しめないときは、注意が必要です。とくに食欲の低下や不眠、急に涙が出てくるといった症状がでるときはストレスが慢性化しています。
日常生活に支障をきたすほどのストレスを抱えているということは、その環境と相性がよくないことを現しています。無理に居続けるよりは休職をして、いったん離れる期間を設けましょう。離れることで、回復するなら環境を変えたほうがよい証拠です。心と体をまもることを第一に考えることが大切です。
やりがいが完全に消えている
アポが取れたり、フィールドセールスからうれしいフィードバックをもらったりしても、達成感や喜びを感じなくなったときは「がんばりたい」という気持ちが失われているサインです。
インサイドセールスの仕事にやりがいを感じなくなっているため、仕事そのものが作業化しています。一時的に成果を出していても、熱意のない業務が続くと成果が落ちていくのも時間の問題です。こうなる前に自身の心身の変化に気づいて、環境や働き方を見直すことが次のキャリアの再構築につながります。
▼インサイドセールスにおけるネガティブな声や、やりがいなどについてはこちらの記事もぜひご覧ください。
インサイドセールスがつまらないと感じる理由とは? 続けるための選択肢も紹介
インサイドセールスが向いていないかもと思ったときに見直すポイント
インサイドセールスを辞めたい理由が、自分の性格や適性に合っていない可能性があります。自身の得意・不得意を見極めて、次にとるべき行動を考えてみることも大切です。インサイドセールスが向いていないかもと思ったときに見直すポイントについて解説します。
会社の営業方法が自分と合っていたか
インサイドセールスは短期的な成果が求められる営業職です。顧客ごとのニーズを把握し、電話やメールでアプローチをかけて反応を見ます。反応に対して戦略を立てて、次のアプローチにつなげるなどスピード感を重視した営業スタイルが基本です。
こうした営業スタイルに違和感を覚える人もいるのではないでしょうか。じっくりと顧客に向き合って関係を構築し、戦略を立てて長期的に提案をしていきたいタイプの人にとって、インサイドセールスの業務は大きなストレスとなるでしょう。
やり方に納得できないまま仕事を続けるくらいなら、ルート営業や反響営業などすでに育成された顧客との関係構築をする営業職が適しているでしょう。
単調業務にストレスを感じていないか
インサイドセールスは毎日のように、決まったトークスクリプトをもとに架電し、商談を設定するなどルーティン化しやすいです。このくり返す単調業務にストレスを感じる人は、インサイドセールスに向いていないかもしれません。
業務の変化や多様性など刺激を好む人にとっては、インサイドセールスの業務は毎日同じことをくり返しているだけのように感じるのではないでしょうか。これは強いストレスの要因となります。こうした単調業務でもデータ分析からの戦略立案や関係構築など、自分で掘り下げて動ける人は変化を生み出すことが可能です。
しかし、業務内容に対して「飽きたな」と感じ始めたときはインサイドセールスへの適性を見直してみたほうが良いでしょう。
会社の評価制度に納得できているか
インサイドセールスの業務において、努力や改善が正当に評価されず、数値しか見ていないと不満に思うなら、職種ではなく会社が合っていない可能性があります。インサイドセールスの評価は架電件数やアポ獲得数などの数字を評価指標としていることが多いです。
どんなに質の高い見込み顧客をフィールドセールスに送っても、社内での立ち回りがうまくても正当に評価されないことがあります。これは組織の体制づくりに課題があるためで、その人が悪いわけではありません。
どうしても正当な評価をされていないと感じる状態が長く続くときは、現状をキャリアの踏み台と割り切り、転職に向けて行動を起こしてみましょう。
インサイドセールスで身についたスキル
今の職場で評価されなくても、インサイドセールスで身につけたスキルは自身のキャリアを構築するうえで資産となります。具体的にどのような知識が身についているのか解説します。
顧客理解と営業戦略の実践力
インサイドセールスは、テレアポ業務とは違います。見込み顧客の選定からアプローチの工夫まで、戦略的な営業スキルが求められます。くり返すことで顧客理解が深まり、商談につながる営業戦略の実践力が磨かれていくのです。
「なぜアポが獲れたのか」を考え続けることで身につきます。これらのスキルは、フィールドセールスでも活用が可能です。とくにデータ分析スキルはマーケティング職への転身においても武器となります。
SaaSやIT商材の基礎知識
インサイドセールスはSaaSやIT商材を扱う企業が多く、実際の業務でもこうしたツールを使用します。業務を通じて自然にクラウドサービスやソリューション営業の知識が身についていくわけです。CRMやMAツールの使い方、見込み顧客の育成方法、システムのデモンストレーションの流れなどが知識として身につきます。
こうした商材はこれからますます増えていくでしょう。そのため、知識やスキルをもっている人材は、未経験の業界への転職であっても評価されやすいケースがあります。もしこうしたツールを導入していない企業への転職なら「テクノロジー分野に強い営業職」として高い評価を期待することが可能です。
顧客や状況に合わせたコミュニケーション能力
インサイドセールスは、営業職に求められるコミュニケーション力のなかでも、限られた接点で顧客のニーズを引き出すスキルが身につきます。
短時間で相手の状況をくみ取り、言葉を選んで質問に対応するスキルは、汎用性が高く、営業職を含めた多くの職種で重宝されるスキルです。これは単なる話し上手とは異なり「目的をもって対話を組み立てられる力」のため、社内外を問わず、調整や連携業務が発生する職種ではとくに活用できます。
インサイドセールスで培ったスキルはセカンドキャリアに活かせる
インサイドセールスで培ったスキルや経験を活かせる道は複数あり、さまざまな職種に応用が可能です。キャリアチェンジを考えたときに、これまでの経験の活用法について解説します。
キャリアチェンジの選択肢が豊富
インサイドセールスの経験者は、フィールドセールスやカスタマーサクセス、営業企画といった職種への転身している人も少なくありません。上でも述べたように、顧客対応力や提案力などのスキルはどの職種にも共通して活かしやすく、幅広い分野で需要があります。
また、インサイドセールスで成果を出している人ほど、自身で数値を管理し、主体的に業務に取り組んでいることが多く、その能力が高いです。そのため、チームリーダーやマネジメント職など、さまざまなポジションへの転身になります。「スキルで選ぶ」ことを重視し、インサイドセールスを起点としたキャリアパスを描いてみましょう。
顧客理解は異職種でも強みになる
インサイドセールスとして商談につながる前段階で顧客と向き合ってきた経験は、異職種でも重宝されます。顧客のニーズをくみ取るスキルはマーケティングで活かせますし、カスタマーサクセスでは契約後の関係構築に応用が可能です。
ユーザー視点をもった提案や対応をくり返すことで、相手の本音を引き出すスキルが来られていくのです。こうしたスキルは多くの職種で歓迎されるため、転職活動において強みになるでしょう。
新たなキャリアのきっかけになる
「辞めたい」という気持ちはネガティブなものですが、それは逃げや甘えではなく、次のキャリアへ進むステップとして捉えるのもひとつの方法です。インサイドセールスとして苦悩した経験があるからこそ、自分のこれからの働き方やキャリアに向き合うことができます。
これまでの積み重ねは決して無駄ではなく、新しいキャリアに進むきっかけとして活用するのです。身につけたスキルを棚卸ししながら、自己肯定感を高めていきましょう。自分のスキルに自信をもつことができれば、前向きな転職活動へとつなぐことが可能です。
インサイドセールスを辞めたいけど不安なときに考えたいこと
「辞めよう」と思っても、すぐに行動に移せる人は多くありません。そんなときは、まず視点を変えて自分の気持ちを整理してみましょう。退職を決意する前に見直しておきたい考え方について解説します。
自分に合ったキャリアへ進むために辞める
「辞めることは逃げ」「今の会社を辞めたら終わり」といったネガティブな考えにとらわれていませんか?辞めることはキャリアを壊す行為ではなく、より自分にあった道を選ぶための行動です。
その都度、学び直して修正しながら形成していくのです。自分に合わない環境とは違う会社で働くことで、適応力や柔軟性などが強みにもなります。
今の会社を辞めることが将来のすべてを決めるわけではありません。転職でスキルや職歴を重ねて、自信をアップデートするのです。退職を前向きに捉えて転職活動を始めることで、ポジティブな気持ちが生まれてきます。
働き続けることが良いわけではない
「辞めることに不安があるから、とりあえず働き続ける」という状態は結果として、メンタルの限界を招くおそれがあります。よく3年続けないと意味がないと聞きますが、心身に影響が出ているなら、働き続けるよりも辞めたほうがよいです。
強いストレスを受けると判断力が低下し、業務にも支障をきたします。さらに環境が悪化するおそれもあるため、頑張り続けることは得策ではないのです。
「会社を辞める=すべてをリセット」するわけではありません。頑張り続けることが必ずしも最善ではないと気がついたときに、新しい選択肢を見つけることができるでしょう。
新しい環境に挑戦することで働き方を変えられる
退職する不安が強い人のなかには「転職しても同じことになるのでは?」と感じる人も少なくありません。企業によってインサイドセールスの役割や運用体制、評価基準は異なるものです。
同じインサイドセールスでもアポ獲得に特化しているところもあれば、営業企画部と連携して改善案を提案するなど働く環境で担う役割も変わってきます。そのため、インサイドセールスが向いていないのではなく、変えるべきは職場かもしれないという視点をもつことが大切です。
インサイドセールスを辞める前にやっておくべき3つの準備
インサイドセールスを辞めたいからといって、勢いで退職をするのはよくありません。転職を成功させるには、徹底した準備と情報収集が必要です。在職中にできる転職活動について解説します。
1. 次のキャリアに向けた情報収集
転職活動をスムーズに進めるためには、市場の動向や求人情報、自分に合った働き方の条件について情報を収集しておくことが大切です。市場の動向や求人情報を把握することで、求められるスキルや需要の高いポジションを知ることができます。
効率よく情報を収集するためにも、自分の働く上での希望条件を明確にしておくことが大切です。これによりミスマッチを避けつつ、効率的な転職活動が可能です。
2. 自分のスキルを棚卸しする
これまでの経験を振り返り、自分が何をやってきたのかを整理してみましょう。具体的にどのような改善に取り組んだのか、試行錯誤したところもすべてがアピールポイントになります。定性的な部分を自分の言葉でまとめることで、面接時にもアピールがしやすくなります。
スキルを整理していると、新たな自分の強みを発見することができるかもしれません。職務経歴書や面接などでも自信をもってアピールできます。
3. 自分の市場価値や働き方を明確にしておく
転職でミスマッチを防ぐには、自分の価値観や働き方の希望を明確にしておくことが大切です。理想の働く環境を言語化しておきましょう。
たとえば以下のようなものがあります。
・営業ノルマが少ないところで働きたい
・顧客とていねいに向き合いたい
・フィールドセールスとチームで働きたい
・フルリモート・フレックス制があるところ
こうした条件をまとめておくと、転職活動時にアンテナを張って探すことが可能です。また、可能であれば将来のキャリアの方向性を具体的に描いておくのもおすすめです。今何をすべきかが見えてきます。
しかし、自分ひとりでキャリアパスを描くのはたいへんという人もいるでしょう。そのときは転職エージェントに相談をしてみることをおすすめします。
インサイドセールスの転職はエージェントの活用がおすすめ
専門知識をもつ転職エージェントなら、自分に合った職場を紹介してくれるだけではなく、キャリアの選択肢を広げてくれる可能性があります。理想の職場と出会うためにも、ぜひ活用をおすすめします。
インサイドセールス経験を正しく評価してくれる
転職エージェントの担当者は、転職希望者が希望の仕事に就けるように、営業経験などをていねいにヒアリングします。インサイドセールスはさまざまな業界が導入しているため、どの業界の知見があるのかも把握したうえで、活躍できそうな業界や業種を見極めるのです。
また、エージェントはインサイドセールスの役割の価値を理解しています。そのため、求職者の強みを正確に伝えてくれるため、ミスマッチの少ない転職が可能です。
自分に合った企業を紹介してもらえる
転職活動を1人で進めると、どうしても求人票の条件だけを見てしまうものです。しかし、社風やマネジメントの仕方、職場の雰囲気など入社してみないとわからないことが実際の働きやすさにつながります。
エージェントは企業からこうした見えにくい部分をヒアリングして把握しています。自分の希望や特性をはじめ、希望する働き方まで考慮したうえで、企業とのマッチングをしてくれるのです。
非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントは一般の求人サイトでは公開されていない好条件の求人情報をもっています。こうした非公開の求人情報は、好条件のポジションの求人など、一般求人では出まわっていない案件が多く含まれているのが特徴です。
SaaS系企業やIT業界は即戦力を探していることも多いため、エージェントを利用することで紹介してもらえる可能性があります。条件交渉も代行してくれるため、在職中で限られた時間のなかでもより良い転職先を探すことが可能です。
インサイドセールスの転職は9Eキャリアが支援します
インサイドセールスを辞めたいと感じたときは、自分の心身が疲れているときです。まずは理由を分析して、どうしても辞めたいときは、転職エージェントに相談してみてください。
9Eキャリアインサイドセールスの転職支援サービスでは、インサイドセールス職を募集する企業の裏側まで熟知したエージェントが転職を支援いたします。
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