2025年2月28日公開
最終更新日:2025年3月8日
SaaS企業のインサイドセールスの役割とは? 導入メリットや効果を出すポイントを紹介
インサイドセールスとは、オンライン商談やデジタルツールを活用して見込み顧客を育成し、契約や継続支援へとつなげる営業手法を指します。
サブスクリプションモデルが主流のSaaS業界では、顧客との長期的な関係づくりが重要なため、インサイドセールスは企業にとって欠かせない存在です。
しかし、多くのSaaS企業が、リモート商談への移行や大量のリード管理に戸惑い、思うように効果を出せていないのではないでしょうか。また、転職を検討していても「本当にインサイドセールスは自分に合っているのか」「面接でどんなスキルをアピールすればいいのか」といった不安を抱える方も多いはずです。
本記事では、目次としてSaaS企業のインサイドセールス導入メリットや具体的な役割を解説しながら、成果を出すためのポイントをわかりやすく紹介します。また、2024年の市場動向を踏まえ、企業が成功するための基盤の作り方についても詳しく解説します。
転職を検討している方にとっては、自身の営業経験やスキルセットがどこで活かせるのかが明確になり、求人選びや面接対策にも役立つはずです。
インサイドセールスとは
従来の営業といえば、いわゆる「足で稼ぐ」スタイルでした。顧客リストをもとに1件ずつ訪問し、名刺交換やランチ、時には飲み会を通じて関係を築き、受注につなげる。これが20世紀型の営業手法です。
しかし、SaaSというビジネスモデルの登場により、この従来型の営業手法は大きく変化しました。SaaSの販売プロセスは単発契約ではなく、サブスクリプション(継続課金)が基本となります。顧客に一度売って終わりではなく、長期的に利用し続けてもらうことが事業継続のカギとなるのです。
すると、営業活動の優先順位も大きく変わります。
もはや訪問営業で契約を勝ち取ることが最優先ではありません。むしろ、いかに効率的にリードを育成し、商談を創出し、契約後も継続利用してもらうかが重要になります。ここで登場するのがインサイドセールスです。
インサイドセールスとは、簡単に言えば「非対面での営業活動を中心とする、デジタル時代の営業手法」です。
「テレアポと何が違うのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
テレアポは「とにかくアポイントを取ること」を目的とし、リストに片っ端から電話をかけ、興味の有無にかかわらず商談を設定します。一方で、インサイドセールスは顧客の興味・関心度に応じて適切なタイミングでアプローチし、リードを商談につなげる科学的な手法です。
▼インサイドセールスの概念、基本的な考え方や活動内容についてはこちらの記事で総合的に解説しています。
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
SaaS業界でインサイドセールスが注目される背景と導入メリット
ここでは、SaaS業界でインサイドセールスが注目される理由と導入メリットを詳しく解説します。
サブスクリプションモデルとリモート商談の普及
SaaSの収益モデルの多くは、サブスクリプションによって成り立っています。一度販売して終わりではなく、顧客に長期間利用してもらうことが利益につながります。
SaaS型製品は初期導入のハードルが低く、月額料金も比較的安価なため、短期間で解約されるとコスト回収が難しくなります。そのため、単なる販売ではなく、導入後の定着支援やアップセル/クロスセルを通じて、顧客との長期的な関係を築くことが不可欠です。
この背景のもと、効率的に顧客と関係を築き、継続利用を促す手法としてインサイドセールスが注目を集めています。
また、近年のリモートワークの普及により、商談の多くがオンラインへと移行しました。これにより、移動時間が不要になり、インサイドセールスの生産性が飛躍的に向上しています。
従来のフィールドセールスでは1日3〜4件の訪問が限界でしたが、インサイドセールスなら1日10件以上の商談が可能になり、より多くの顧客と接点を持てるようになりました。そのため、商談の機会そのものが増え、契約獲得の可能性も高まっています。
さらに、オンライン商談は顧客にとっても利便性が高い手法です。録画機能や画面共有を活用することで、商談内容の振り返りが容易になり、意思決定のスピード向上にも貢献しています。
SaaSの成功には、単なる新規契約の獲得だけでなく、継続利用と追加価値の提供が不可欠です。リモート商談を活用しながら、より効率的に顧客と信頼関係を築くことが、競争優位性につながるでしょう。
コスト削減と迅速なアプローチ
従来のフィールドセールスの場合、交通費・宿泊費・移動時間など、さまざまなコストが発生します。たとえば、東京の会社が大阪のクライアントと商談する場合、往復の交通費、移動時間、宿泊費といったコストがかかります。
さらに、これらのコストをかけたにもかかわらず、訪問先で「やっぱり導入しない」と言われてしまえば、その時間も費用もすべて無駄になってしまうわけです。一方で、インサイドセールスなら、わずか30分のオンラインミーティングで商談を行えます。そのため、大幅なコスト削減と営業効率の向上が見込めます。
また、インサイドセールスは圧倒的なスピード感で顧客にアプローチできる点も大きな強みです。顧客が資料をダウンロードした瞬間、つまり顧客の熱量が高いうちにインサイドセールスがアプローチすることで、高い確率で商談へと進められるでしょう。
SaaSビジネスモデルとの相性がよい
SaaS商材の多くは、高単価であり、検討期間が長いという特徴があります。たとえば、企業向けのERPシステムやCRMツールは、数百万円〜数千万円の導入費用がかかることも珍しくありません。そのため、顧客は長期間にわたって比較・検討を行います。
このような状況において、インサイドセールスが適切にフォローを続けることで、以下のプロセスをスムーズに進められます。
・導入を決めるまでの情報提供(ホワイトペーパーやウェビナーなど)
・競合製品との違いを明確にする(機能比較表や事例紹介)
・タイミングを見極め、クロージングへとつなげる(契約を後押しする特典提示)
インサイドセールスが継続的にコミュニケーションを取ることで、顧客の離脱を防ぎ、最適なタイミングで成約につなげられます。
データにもとづいたアプローチができる
今や顧客は営業担当者に会う前に、自ら情報収集を終えています。実際、商談時には購買プロセスの約6割が完了しているとも言われており、営業が接触する頃にはすでに「どの製品を選ぶか」の候補を絞り込んでいるのです。
このような購買行動の変化に対応するため、インサイドセールスは顧客のデータをもとに、最適なアプローチを実施します。
・どのページを何回閲覧したのか
・どの資料をダウンロードしたのか
・どのウェビナーやホワイトペーパーに興味を持ったのか
このようなデータを分析することで、顧客の関心領域や検討状況を把握し、ニーズが高まったタイミングで最適な提案が可能になります。
従来の「とりあえずアプローチする営業」では、まだ購買意欲の低いリードに手当たり次第に接触し、非効率な商談を重ねてしまうリスクがありました。しかし、インサイドセールスならデータにもとづいた戦略的な営業ができるため、成約率の向上や営業効率の最大化につながります。
SaaS市場の競争が激化する中、「誰に、いつ、どのようにアプローチするか」を的確に判断できるインサイドセールスは、単なる選択肢ではなく、SaaS企業の成長に重要な営業戦略となっています。
▼SaaSの基礎知識については、こちらの記事で解説しています。
SaaS(サース)とは? IaaS・PaaSとの違いやメリットを解説
SaaSのビジネスモデルとは? 収益構造やサービスの特徴をわかりやすく解説
SaaS企業におけるインサイドセールスの役割
ここからは、SaaS企業におけるインサイドセールスの役割について詳しく見ていきましょう。
リードクオリフィケーション
SaaS企業では、マーケティング部門がオウンドメディア、広告、セミナー/ウェビナーなどのさまざまなチャネルを活用し、日々多くのリードを獲得しています。しかし、獲得したすべてのリードが商談につながるとは限りません。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
・資料をダウンロードしただけの人
・ウェビナーをなんとなく視聴した人
・無料トライアルに登録したものの、深く検討していない人
このようなリードに対して営業が闇雲にアプローチしても、「まだ導入の予定はありません」と断られる可能性が高いです。その結果、営業の時間が無駄になり、本来アプローチすべき高確度のリードへの対応が遅れてしまいます。
そこで重要になるのが、インサイドセールスの最初の仕事である「リードクオリフィケーション」です。
リードクオリフィケーションとは、獲得したリードを分析し、「このリードは本当に商談につながるのか?」を判断する方法を指します。ここで活用されるのが、営業の現場でよく使われるBANTというフレームワークです。
・Budget(予算):そもそも予算があるのか
・Authority(決裁権):話している相手に決裁権があるのか
・Need(ニーズ):具体的な課題を抱えているか
・Timing(導入時期):すぐに導入する予定があるか
この基準をもとに、リードを以下3つに分類します。
・SQL(Sales Qualified Lead):今すぐ商談に進めるべきリード
・MQL(Marketing Qualified Lead):まだ決めていないが、今後商談化の可能性があるリード
・CPL(Cold Prospect Lead):今すぐは導入しないリード
リードクオリフィケーションを徹底することで、営業は本当に優先すべきリードに集中できるようになります。
オンライン商談
オンライン商談は、単なる製品紹介の場ではありません。
顧客の課題を正しく把握し、「自社製品が本当に役に立つのか?」を明確にしなければいけません。短時間で的確な提案を行うには、商談の進め方が重要です。
まず、顧客の課題をヒアリングします。
「現在、どのような課題を抱えていますか」「それを解決するために、どのような手段を検討していますか」といった質問を投げかけることで、相手の本音を引き出します。たとえ「とりあえず話を聞いてみただけ」という顧客であっても、適切な質問によって意外なニーズが見えてくることがあります。
次に、ヒアリングした課題に対する解決策を提示します。「当社の製品は優れています」と伝えるのではなく、「同じ課題を抱えていた企業では、このような解決事例があります」「この機能を活用することで、現在の課題を解決できます」といった形で、顧客視点に立った提案を行うことが重要です。
最後に、具体的な導入プランを示します。「まずは3か月のトライアルから始めてみてはいかがでしょうか」「導入の流れとして、初月にAを、2か月目にBを実施するとスムーズです」といった形で、導入後のプロセスを明確にすれば、顧客の不安を解消し、成約率を高められます。
契約後のフォローアップ
SaaSビジネスにおいては、契約後に顧客がプロダクトを使いこなし、その価値を実感できるかどうかが成功の鍵を握ります。もし十分に活用されなければ、顧客は「期待した効果が得られない」と判断し、解約のリスクが高まります。その結果、売上の安定性が損なわれ、ビジネスの成長にも悪影響を及ぼしかねません。
このような事態を防ぐため、インサイドセールスは商談後も継続的なフォローを行います。
活用が進んでいない顧客に対しては、オンボーディングを支援し、スムーズな導入をサポートします。利用頻度が減っている顧客には、適切なアプローチを行い、継続的な利用を促します。さらに、追加機能の案内や、他部署での活用を提案することで、アップセルやクロスセルの機会を生み出します。
契約後のフォローは、カスタマーサクセスが担うことが一般的ですが、リソースに限りがあるSaaS企業では、インサイドセールスがその役割を兼務することも少なくありません。新規契約の獲得だけでなく、既存顧客との関係を深め、長期的な収益につなげることも、インサイドセールスの重要な役割の一つなのです。
SaaS業界のインサイドセールスの特徴
ここでは、SaaS業界におけるインサイドセールスの特徴を解説します。
データドリブンな営業活動
SaaSのインサイドセールスは、経験や勘に頼るのではなく、データにもとづいて営業活動を行います。SaaSの購買プロセスはすべてデジタル上で記録されるため、顧客の行動データを分析すれば、最適なタイミングで適切なアプローチが可能になるためです。
たとえば、以下のようなデータをもとに営業活動を最適化します。
・Webサイトの閲覧履歴(どのページを見たか、何回訪問したか)
・ダウンロードした資料や参加したウェビナー(どの情報に関心があるのか)
・無料トライアルの利用状況(どの機能を試しているのか、どこでつまずいているのか)
これらのデータを活用し、導入を前向きに検討している顧客には商談を提案し、そうでない顧客にはメールでリードナーチャリングをするといった施策を立案できます。
データにもとづいた営業を行うことで、無駄なアプローチを減らし、成約率を最大化できます。
ツール活用が前提
SaaSのインサイドセールスは、さまざまなツールを活用して営業活動を進めます。対面ではなくオンライン上で完結する営業スタイルだからこそ、ツールの有無が業務の効率に直結するためです。
特に、以下のようなツールが必須となります。
・MAツール:リードのスコアリングやナーチャリングを自動化
・SFA/CRMツール:顧客情報や商談履歴を一元管理
・セールスエンゲージメントツール:商談の効率化やフォローアップの最適化
ツールの具体的な活用法については、後ほど詳しく解説します。
インサイドセールスの導入が効果的なSaaS企業の特徴
インサイドセールスは、すべてのSaaS企業にとって有効とは限りません。SaaSのビジネスモデルやターゲット市場によって、インサイドセールスの効果が大きく出る企業と、そうでない企業が存在します。
では、どのようなSaaS企業がインサイドセールスの導入に最適なのでしょうか。ここでは、インサイドセールスの効果を最大化しやすい企業の特徴を解説します。
分業体制と大量リード獲得に対応できる
「マーケティング → インサイドセールス → フィールドセールス」というThe Model型分業体制を整えられる企業では、インサイドセールスが特に大きな力を発揮します。
たとえば、以下のような役割分担が機能していれば、インサイドセールスの導入が向いています。
・マーケティング部門:広告、SEO、コンテンツマーケティングなどでリードを獲得
・インサイドセールス:リードを精査し、商談化の可能性が高い顧客に優先的にアプローチ
・フィールドセールス:インサイドセールスから送られてきた確度の高いリードに集中し、クロージングを担当
このような仕組みが整っている企業では、営業の生産性が向上し、売上の最大化が実現しやすくなります。
フィールドセールスに限界を感じている
従来のフィールドセールスだけでは、対応できる商談数に限界があります。
特に、営業担当者の訪問件数には物理的な制約があるため、数多くの商談を効率よく進めるのは困難でしょう。無理に多くの商談を入れても、準備に時間をかけられなければ、失注のリスクが高まってしまいます。
インサイドセールスを導入すれば、リードクオリフィケーションで優先度の高いリードのみを営業に引き渡せるようになります。また、意思決定段階に進んでいない顧客に対しては、ナーチャリングで購買意欲を高めることが可能です。
このように、フィールドセールスの負担を軽減しながら、成約につながりやすい営業活動の支援を行えます。
全国展開・グローバル展開
インサイドセールスの最大のメリットのひとつは、地理的な制約を受けないことです。
そのため、全国展開・グローバル展開を考えているSaaS企業においては、インサイドセールスの導入は必須と言っても過言ではありません。
インサイドセールスを導入すれば、物理的な営業拠点を増やすことなく、全国・海外の市場に迅速にアプローチし、市場シェアの拡大を行えます。
SaaS企業のインサイドセールスで使われる主なツール
SaaS企業においては、「インサイドセールス力=ツールの活用力」といっても過言ではありません。
ここでは、インサイドセールスで一般的に使用される3種類のツールについて解説します。
MAツール
MAツールは、マーケティング業務の効率化・自動化をするツールです。主にナーチャリングとスコアリング機能に強みを持っています。
インサイドセールスにおいては、全ての顧客にかたっぱしから電話するのは得策ではありません。このようなアプローチはテレアポと同じです。インサイドセールスは科学だからこそ、データドリブンのアプローチをする必要があります。
まだ情報収集段階の顧客に営業アプローチをかけたとしましょう。この場合、「まだ検討中ですので」と断られるだけでなく、顧客の状況を無視した強引なアプローチの結果、その顧客を永続的に失う可能性さえあります。
MAツールを導入すれば、顧客の行動データをもとに、興味関心を可視化し、最適なタイミングでアプローチできるようになるのです。
SFA/CRMツール
SaaS企業のインサイドセールスにおいては、営業やマーケティングなどの他部門との連携が欠かせません。各部門が独自に施策を進めると、顧客に一貫した体験を届けることが困難です。
また、マーケティング部門が確度の高いリードを獲得しても、その情報がインサイドセールスに共有されず、リードを逃すといった事態も生じます。
SFAやCRMツールを導入すれば、営業プロセスの管理や顧客データの一元管理を行えるため、部門間の連携が強化されます。特にCRMツールは、各部門が集めた顧客情報を一元管理するため、データにもとづいた施策展開が可能になるでしょう。
すでにSFAやMAツールなどを導入している場合、それらと連携できるCRMツールを導入するのがおすすめです。
セールスエンゲージメントツール
セールスエンゲージメントツールは、インサイドセールスの業務を自動化し、営業活動の効率を最大化するためのツールです。
主な機能は以下の通りです。
・メールや電話のフォローアップを自動化
・営業トークの最適化
・商談の録音・解析
CRMやMAツールと比べると重要度は低いですが、予算に余裕があり、インサイドセールス全体のスキルを強化したい場合は導入を検討するとよいでしょう。
SaaS企業のインサイドセールスで求められるスキル・経験
SaaS業界では、データを駆使した営業戦略、オンライン商談のスキル、継続的な顧客との関係構築力が求められます。
ここでは、インサイドセールスとして成功するために必要なスキルと経験について詳しく解説します。
営業経験
インサイドセールスは、顧客と直接コミュニケーションを取る仕事であるため、基本的な営業スキルが重宝されます。
特にSaaS業界では、課題解決型の営業が重要です。自社製品を売り込むのではなく、顧客の課題を深掘りしたうえで、自社ソリューションを訴求しなければいけません。
具体的には、以下のスキルがSaaSのインサイドセールスに役立ちます。
・ヒアリング力(顧客のニーズや課題を正しく引き出す)
・プレゼンテーション力(オンライン商談でわかりやすく伝える)
・交渉力(価格や契約条件を調整する)
SaaSの購買プロセスは従来の営業とは異なり、顧客はすでにWeb上で情報を収集し、競合製品との比較を済ませた状態で商談に臨むケースが多いです。
そのため、顧客が知りたいポイントを的確に押さえ、「なぜ自社が最適なのか?」を論理的に説明するスキルを身に着けるようにしましょう。
オンライン商談スキル
インサイドセールスは訪問営業とは異なり、すべての商談をオンラインで行います。そのため、オンライン商談ならではのスキルが求められます。
・環境に適応したオンラインコミュニケーション能力
・画面共有を活用したプレゼンテーション
・SaaS商材では、機能やUIを見せながら説明することが不可欠
・デモ画面やスライド資料を適切に活用し、視覚的にわかりやすく伝える
対面とは違い、相手の表情やリアクションがつかみにくいため、適切な間をとりながら話さなければいけません。また、一方的な説明にならないよう、適宜質問を挟み、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。
オンライン商談は、単なる「対面の代替手段」ではありません。オンラインならではの効果的な営業スキルを磨く必要があります。
ITリテラシー・データ分析力
SaaSのインサイドセールスでは、ツールを活用し、データドリブンな営業活動を推進する必要があります。
たとえば、CRMツールで顧客一人ひとりのWeb上での行動データをもとに、顧客の興味関心を分析しつつ、最も適切なタイミングを見計らってアプローチするといった具合です。このようなデータドリブンの意思決定をするためには、ITリテラシーとデータ分析する気が欠かせません。
実際に多くのSaaS企業が、MAツールやCRMツールの利用経験ある人材を優遇しています。
自社製品・業界への深い理解
インサイドセールスは、顧客の課題に応じたソリューションを提案するコンサルティング型営業のため、自社製品や業界についての深い知識が求められます。
特にSaaS業界では、専門用語や業界特有の課題を理解しているかどうかが、営業の成果に大きく影響します。
たとえば、広告運用自動化ツールのベンダーの場合、CPAやCPCなどの専門用語はもちろん、運用ノウハウまで理解していなければ、顧客と解像度の高い会話ができないでしょう。
また、顧客ごとに異なる業界特有の課題を把握し、「なぜこのツールが必要なのか?」を説得力をもって伝えられることが、成功するインサイドセールスの条件となります。
マネジメント力
インサイドセールスは、チームで連携しながら業務を進めます。将来的にマネージャーを目指すなら、KPI管理やチームマネジメントのスキルも重要です。
具体的には、以下のようなスキルが優遇されます。
・商談化率や成約率のデータをもとに、改善施策を提案する
・新人の育成やトークスクリプトのブラッシュアップを行う
・マーケティングやフィールドセールスと連携し、最適なリード管理を実現する
特にSaaS企業では、営業手法やツールが常にアップデートされるため、変化に柔軟に対応できるマネジメント力が不可欠です。
SaaS企業のインサイドセールスで求められる人材像
多くのSaaS企業が求めるのは以下5つの資質を持った人材です。
・主体的に動ける
・データを活用できる
・変化に柔軟
・論理的に話せる
・継続的に学習できる人
インサイドセールスは、単なる営業職ではなく、データを活用した戦略的なアプローチを求められる職種です。これらの資質を備えた人材こそが、SaaS企業の成長を支える重要な存在となるのです。
SaaS企業のインサイドセールスへ転職するポイント
SaaS企業のインサイドセールスに転職するには、営業経験のアピール、SaaS業界の理解、オンライン商談スキルの証明、適切な転職エージェントの活用が重要です。
以下では、それぞれのポイントを詳しく解説します。
数字で実績をアピール
インサイドセールスへの転職において、営業経験は強みとなります。受注率、商談数、リード数などの具体的なKPIを提示し、成果を数値で示せれば大きなアピールとなるでしょう。
なかでも、無形商材の営業経験があれば、即戦力として評価されやすくなります。
採用選考では「どのように成果を上げたのか」を具体的に説明できるかが重要です。過去の実績を振り返り、どのような施策が成功したのかを整理しておきましょう。
SaaS理解とオンライン商談経験
SaaS業界特有のビジネスモデルの理解も欠かせません。
「サブスクリプション型ビジネスにおけるLTVの重要性」や「インサイドセールスとカスタマーサクセスの連携」などの知識があれば、インサイドセールスの目的を正しく把握でき、志望動機の説得力が増します。
また、オンライン商談の経験もアピールポイントになります。どのような点を意識して商談を進め、どのような成果を上げたのかを具体的に伝えましょう。
転職エージェントの活用
インサイドセールスの需要が高まる一方で、適切な人材が不足しているため、多くの企業が採用活動を行っています。
しかし、自身のスキルやキャリアの方向性に合った企業を見つけるのは容易ではありません。業界や企業ごとに営業スタイルが異なるため、どの求人が自分に適しているのか迷う方も多いのではないでしょうか。
転職エージェントを活用すれば、自身の経験や希望に合った求人を紹介してもらえるだけでなく、選考対策や面接のフィードバックなどのサポートも受けられます。特に、SaaS業界に強いエージェントを選べば、業界の最新動向や企業ごとの特徴を踏まえたアドバイスが得られるため、より適切な転職先を見つけやすくなるでしょう。
また、非公開求人を紹介してもらえるのも大きなメリットです。一般には出回らない優良求人に出会える可能性があり、より多くの選択肢の中から自分に合った企業を選べます。
インサイドセールスへの転職を検討している場合は、エージェントのサポートを活用するとよいでしょう。
SaaS企業へのインサイドセールス転職なら9Eキャリアへお任せ!
SaaS企業におけるインサイドセールスの需要が高まっています。データを活用しながらオンラインでナーチャリングや商談を進めるため、従来の営業とは異なるスキルや経験が求められますが、適切な準備をすれば未経験からでも挑戦できます。
転職を成功させるには、営業経験のアピール、SaaS業界の理解、オンライン商談スキルの証明が重要です。また、専門的なサポートを受けることで、より有利に転職活動を進められます。
9Eキャリアインサイドセールスの転職支援サービスでは、インサイドセールス業務への理解が深いキャリアアドバイザーが求職者様の経験にフィットする業務内容の求人を提案するなどインサイドセールス特化型だからこそ可能な転職支援を行います。
インサイドセールス職で転職を考えている方は以下ボタンより、ぜひ面談予約してください。
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