2024年12月10日公開
最終更新日:2024年12月10日
インサイドセールスの立ち上げを4ステップで解説! 流れや失敗事例、成功させるポイントとは
営業活動の専門性向上や分業化を目的として、インサイドセールスの部門やチームを新たに創設する企業が増えています。こうした需要の高まりを受け、インサイドセールスの立ち上げメンバーやマネージャーを募集する求人が数多く存在しています。中には、転職や管理職へのキャリアアップにより、インサイドセールスの立ち上げに関わる機会がある人もいるでしょう。
この記事では、インサイドセールスの立ち上げについて詳しく解説します。具体的な流れのほか、失敗事例や成功させるポイントも合わせて紹介します。
▼インサイドセールスの概念、基本的な考え方や活動内容についてはこちらの記事で総合的に解説しています。
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
インサイドセールスの立ち上げの流れ
インサイドセールスを立ち上げる際は、大きく分けて以下4つの流れで実行します。
1.方向性の決定
2.シナリオの作成
3.KPIの設定
4.人材確保・教育
最初の「方向性の決定」では、インサイドセールスを進める目的や施策の方針を決めます。次に、「シナリオの作成」で営業における対話のガイドラインを制作します。3番目の「KPIの設定」では、インサイドセールスのKPIに加えて、KPIを達成するための具体的な施策も考案しましょう。最後に、「人材確保・教育」を行います。マネージャーやメンバーに向いている人材を見極めて選任し、他部門との連携体制を構築します。業務効率化のため、導入するツールの選定も必要です。
次の章から、各ステップの詳細な手順を順番に説明していきます。
ステップ1|方向性の決定
インサイドセールスの立ち上げ時は、ぶれない施策づくりのための方向性を決定します。はじめに、次の4つの項目を決めていきましょう。
1.SDRまたはBDRの選択
インサイドセールスの組織形態には、「SDR」と「BDR」の2つがあります。SDR(Sales Development Representative)とは、マーケティング部門が獲得したリードにアプローチして商談の機会を作り出す組織形態です。「反響型」や「インバウンド型」のインサイドセールスとも言われています。対するBDR(Business Development Representative)とは、自社のターゲット企業へアプローチし新規顧客を獲得する組織形態です。「新規開拓型」や「アウトバウンド型」のインサイドセールスに該当します。なお、厳密な解釈ではBDRをインサイドセールスに含まない場合があります。
国内のインサイドセールスは、SDRを採用する企業が一般的です。BDRはこれまで関わりのない中堅・大企業を対象とするため、成果が出るまでにSDRよりも時間がかかります。将来的にBDRを作りたい場合でも、スモールスタートできるSDRからの立ち上げがおすすめです。以降、この記事でもSDRの立ち上げを想定して手順を解説していきます。
2.課題と目的の明確化
組織形態を決めた後は、インサイドセールスで解決したい営業課題を明確にしましょう。「商談が成約につながらない」「営業活動が属人化しており生産性が低い」など、自社が営業活動で抱えている課題を明らかにします。その上で、インサイドセールスで達成したい目標を設定します。「商談が成約につながらない」例であれば、「見込み客の受注確度を高めるため、リード育成と絞り込みに力を入れる」といった目標を設けましょう。1つの目標を決めることで、インサイドセールスの方向性を定められます。戦略が迷走しないため、無駄な施策にリソースを割くリスクを低減できます。
2.商材の情報整理
次に、設定した課題と目的に合わせて、インサイドセールスで扱う製品・サービスの情報を整理します。インサイドセールスの立ち上げ当初から、すべての自社製品・サービスを扱うことはおすすめできません。商材の数が多いほど、インサイドセールスのノウハウが蓄積されていない段階から膨大な範囲に対応しなくてはならなくなるためです。まずは立ち上げ時点で扱う少数の製品やサービスを絞り込み、訴求のポイントを洗い出しましょう。
4.営業プロセスと役割の明確化
商材の情報整理の後、インサイドセールスを含む営業プロセス全体の流れを設計します。加えて、先に決めた目的を達成するためにインサイドセールスが担当するべき業務範囲を決めましょう。インサイドセールスを設置する場合、次のように営業プロセスを4つの領域に分ける「The Model(ザ・モデル)」が参考になります。
1.マーケティング(リード獲得・情報発信によるリード育成)
2.インサイドセールス(反響型営業によるリード育成・商談化)
3.フィールドセールス(商談・成約)
4.カスタマーサクセス(成約後の顧客サポート・利益拡大)
インサイドセールスは、マーケティングとフィールドセールスの間に位置します。インサイドセールスの業務範囲を明確にしていないと、マーケティングやフィールドセールスとの連携ミスが生まれやすくなります。連携ミスは重複営業やリードの育成不足を招くため、業務の線引きが必要です。
単にザ・モデルの形式をそのまま取り入れるのではなく、自社の目的や商材、リソースに合わせてカスタマイズしましょう。たとえば、SaaSなどのITサービスを扱う企業では、インサイドセールスがオンライン上で商談や成約も担当するケースが考えられます。
また、顧客を次の部門へ引き渡すトスアップの条件も決めておきましょう。インサイドセールスは見込み客の購買意欲を充分に高めた上で、商談をセッティングする必要があります。購買意欲が不十分な場合、受注につながらない商談によりフィールドセールスの業務が逼迫してしまいます。「マーケティングからインサイドセールスへ」「インサイドセールスからフィールドセールスへ」の各段階で、それぞれのトスアップ条件を検討しましょう。
ステップ2|シナリオの作成
立ち上げ2段階目では、インサイドセールスの「シナリオ」を作成します。営業プロセスにおけるシナリオとは、いつ誰に何のどのような情報を届けるのかを定めた道筋です。シナリオがなければ、その場の成り行きで営業トークを展開しなければなりません。対話のガイドラインとなるシナリオに沿って対話しつつ、顧客の反応に合わせて対応を変えることで営業成果を達成しやすくなります。シナリオを作る際は、以下4つの手順で進めましょう。
1.ターゲットの整理
最初に、インサイドセールスを含む営業プロセス全体のターゲットを整理します。自社の顧客リストを参照すると、これまで取引のある顧客の特徴やニーズ、課題といった情報を整理しやすいです。その上で、ターゲットがどのような行動を起こすとインサイドセールスの見込み客になるのかを考えましょう。例として、「Webサイトから資料ダウンロードや見積もり請求をした人」「セミナーやイベントの参加者」といった設定が挙げられます。
2.顧客の分類
続いて、見込み客の属性や行動、商談の進捗などの要素をもとに顧客の検討段階を定義しましょう。顧客の検討段階が可視化されれば、それぞれの段階に合わせて最適な対応を選べるようになります。検討段階の分類に役立つ考えとして、リードスコアリングがあります。顧客の行動や属性にポイントを振り、リードスコアの点数ごとに顧客層を分類する方法です。
注意点として、スコアの数値だけでなくタイムリーな判断も重要です。たとえば、スコアの蓄積がない顧客がいきなり見積もり請求を行った場合、すでに商材への興味関心が高く検討段階に入っている可能性が高いです。低いスコアの基準に沿ってアプローチするよりも、すばやく見積もりを提示してヒアリングしたほうが商談につなげやすいでしょう。リードスコアを導入する場合、スコアの数値にすべての判断を任せるのではなく、時には柔軟な対応が大切になります。
3.提供する情報とタイミングの決定
顧客の検討段階をもとに、どの段階でどのような情報を提供するかを細かく設定します。具体的な情報の例は以下の通りです。
・サービス導入による成功事例
・セミナーやイベントの開催情報
・製品の活用情報をまとめた資料やコラム
・デモやトライアル、キャンペーンの情報
カスタマージャーニーマップを活用すると、顧客の検討タイミングと提供する情報を効率的に整理できます。カスタマージャーマップとは、顧客の検討段階ごとの行動や思考、行うべき施策を可視化する図表です。
4.トークスクリプトの構築
顧客への対応内容が大まかに決まったら、顧客との電話やWeb会議で使用する「トークスクリプト」を作りましょう。トークスクリプトとは、実際の営業における会話の流れを決めた台本です。具体的な台詞で構成され、想定される会話のシーンごとに用意します。トークスクリプトは、セールスの属人化の予防に効果的です。また、メンバーが独自の営業トークを展開するよりも、顧客の反応が良い・悪い部分を客観的に分析できます。
トークスクリプトを作成する際は、特定のシーンごとに会話のフローチャートを作りましょう。すばやく索引できるようにトークの種類ごとに分け、目次を設置すると効率的に活用できます。なお、トークスクリプトを作るタイミングは、立ち上げメンバーのアサイン後でも問題ありません。
ステップ3|KPIの設定
営業のシナリオを固めた後は、インサイドセールスのKPI(重要業績評価指標)を決めましょう。KPIは、インサイドセールスの成果を評価する中間指標として機能します。数値により進捗状況や成果を判断することで、インサイドセールスの取り組みを正しく評価できます。
1.KPIの決定
KPIを決める際は、「年間売上目標〇〇円」や「昨年対比〇%の収益向上」といった会社全体のKGI(経営目標達成指標)から逆算しましょう。KGIを達成するために、インサイドセールスが達成すべきKPIを設定します。KPIを決める場合、量と質のバランスが重要です。KPI達成の量を重視しすぎると、メンバーがやみくもに数字を追ってしまい、顧客対応の質が下がるかもしれません。反対に、質にこだわるあまり、なかなか商談を獲得できなくては本末転倒です。KPIに優先度をつけて、量と質のバランスを取りましょう。
2.KPIの具体例
インサイドセールスに用いるKPIは、大きく分けて「量の指標」と「質の指標」の2種類があります。立ち上げ当初に設定するKPIは、質よりも量に関する指標を中心にしたほうがいいでしょう。質の指標は、全体における割合を示す数値です。全体の数値が出るまで正しく評価できないため、スピード感が重要な立ち上げの初期段階では短期間で評価を確認できる量の指標のほうが向いています。具体的なKPIは、次の一覧表をご確認ください。
■量の指標
■質の指標
3.KPI達成に必要な施策の立案
インサイドセールスで使うKPIの決定後は、KPIを達成するために必要な施策を考案します。通常、複数のKPIを設定するため、KPIごとに具体的な戦略を決めましょう。たとえば、KPIが「月間の有効商談数〇〇件」の場合、有効商談数を伸ばすための取り組みが求められます。受注に至った過去の商談を分析し、受注した企業の規模や業種、抱えていた課題などの情報を洗い出しましょう。自社商材のターゲット像を鮮明にすることで、積極的に商談へつなげるべき対象がわかります。このように、KPIの実現に向けた施策を立案していきましょう。
ステップ4|人材確保・育成
最後に行うステップ4では、インサイドセールスの人材を確保します。マネージャーとメンバーを選任し、適切な教育を施しましょう。また、他部門との連携体制の構築やツールの導入など、インサイドセールスの実行に向けた各種準備も完了させます。具体的な手順を5つに分けて見ていきましょう。
1.マネージャーに向いている人材
インサイドセールスのマネージャーは、メンバーを統括する立場であることから実務経験が豊富な人材が適しています。マネジメントスキルは当然ながら、マーケティングやフィールドセールスと連携するためのファシリテーション力も求められます。また、データの分析力や数値管理スキル、論理的思考力といった多様な能力も必要です。
2.メンバーに向いている人材
インサイドセールスのメンバーは、業務の中で多くの見込み客と接点を持ちます。そのため、高度なコミュニケーション能力に加えて、相手のニーズを聞き取るヒアリング力のある人材が求められます。さらに、リードを育成して商談につなげるためには、見込み客の課題やニーズを的確に把握する必要があります。したがって、多くの業界の特徴や自社商材に関する情報収集力が不可欠です。
インサイドセールスの立ち上げメンバーは、少人数から始めたほうがいいでしょう。立ち上げ当初からメンバーが多すぎると、マネージャーによる教育やマネジメントの負担が重くなります。マネージャーの負担を軽減することで、立ち上げ初期の活動をスムーズに実行できます。
3.ロープレの実施
インサイドセールスの人材確保後は、メンバーにロープレを実施します。ロープレとは「ロールプレイング」の略称であり、実際の業務を想定して擬似的な役割を演じるトレーニングの手法です。最初はメンバーがインサイドセールス側の役割を担当し、マネージャーやベテラン社員が顧客側を演じます。機を見て役割を交代することで、異なる視点から営業トークの課題を発見できるでしょう。多様なロープレを繰り返す中で、メンバーはインサイドセールスにおける顧客との関わり方にいち早く適応できます。加えて、あらゆる角度からの質問パターンを対策できるため、顧客からの思わぬ質問に戸惑う場面を減らせます。
4.他部門との連携体制の構築
インサイドセールスは、営業プロセスの中間に位置する立場です。マーケティングとフィールドセールスと密接に関わる必要があるため、部門同士の連携体制の構築が必須になります。他の部門と上手く連携できなければ、リードの質が低下するおそれがあります。商談化が難しくなり、インサイドセールスの低迷につながりかねません。マーケティングやフィールドセールスと顧客や商談の情報を共有することで、リードの定義やターゲット像の共通認識を持てます。また、営業プロセス全体で連携を深めれば、部門同士の対立が起きづらくなるでしょう。
5.ツールの選定・導入
他部門との連携やインサイドセールスの業務効率化には、さまざまなツールが役立ちます。インサイドセールスで使用する主なツールは、以下の3種類があります。
・MA(マーケティングオートメーション)
・CRM(顧客関係管理)
・SFA(営業支援システム)
MAとは、マーケティング活動を自動化するシステムです。コンテンツやキャンペーンの管理に加え、顧客のスコアリング機能が搭載されています。CRMとは、顧客の基本情報や購買・問い合わせの履歴を一元管理するツールです。ワークフローの自動化やメール配信にも対応しています。SFAとは、営業ステータスや顧客情報を管理するシステムです。案件ごとの進捗管理や実績管理など、営業活動の効率化に役立ちます。インサイドセールスの業務範囲や商材に合わせて、最適なツールを選んでみてください。
インサイドセールスの立ち上げでありがちな失敗事例
インサイドセールスを立ち上げても、必ず成功するわけではありません。ここでは、6つのありがちな失敗事例と原因を紹介します。
1.新規開拓が上手くいかない
1つ目の失敗事例は、新規リードの開拓が上手くいかないパターンです。新たに獲得したリードにアプローチをかけて商談へつなげようとしても、思ったように商談数を伸ばせていない状態です。自社商材のニーズと合っていない層をターゲットにした場合に起こりやすい失敗例と言えます。その場合、マーケティングの段階からターゲット像が間違っている可能性があります。マーケティングと連携して顧客の分析をやり直し、新たなターゲット像を共有しましょう。
2.フィールドセールスの負担が増える
インサイドセールスの設置により、フィールドセールスの負担が増えてしまう事例もよくあります。インサイドセールスとフィールドセールスの業務範囲が明確に分けられていない場合、負担の偏りが発生します。フィールドセールスは商談やクロージングといった営業の最終段階を担当するため、後回しにされた業務が集中しやすいポジションです。フィールドセールスの業務が逼迫すれば、有効商談への対応が遅れて成約のチャンスを逃すかもしれません。立ち上げの段階からインサイドセールスの役割を明確にすることが大切です。
3.受注率が増えない
インサイドセールスの導入により新規リードとの接点が増えたものの、肝心の受注につながらないケースです。受注が増えなければ売上も伸びず、インサイドセールスの存在意義が問われる事態になりかねません。受注確度の低い見込み客にむやみにアプローチしている場合、有効商談が増えず受注の低迷を招きます。営業シナリオにミスがあると、顧客の検討段階に見合った行動を起こせません。顧客の育成が停滞するばかりか、優先して対応すべき顧客を見極めづらくなるため、営業シナリオの見直しが必要です。
4.単なるテレアポ部門になる
せっかく費用や時間をかけてインサイドセールスを立ち上げても、単なるテレアポ部門になってしまうと意味がありません。商材への関心が低いリードへ大量に商談を取りつけても、無意味にリソースを浪費するだけです。商談件数や架電数といったKPIの数値が大きすぎる場合、テレアポ部門になるおそれがあります。量のKPIは現実的な数値に設定して、質のKPIとのバランスも重視しましょう。また、インサイドセールスは、リードを育成して受注確度を上げた上で商談を獲得する必要があります。インサイドセールスの役割を改めて確認し、リードとの信頼関係の構築に力を入れましょう。
5.メンバーのモチベーションが低い
インサイドセールスは、メンバーのモチベーション維持が大切です。モチベーションが低下するとパフォーマンスが向上しづらくなり、最終的にはメンバーの退職につながる可能性があります。離職率が高い職場ではノウハウが蓄積しづらく、いつまでもインサイドセールスの規模を成長させられません。思ったようにリードとの関係を築けなかったり、仕事の達成感が薄かったりするとモチベーションの低下につながります。対策として、定期的にロープレやトークスクリプトの内容を見直しましょう。加えて、メール送信数や商談数といった量のKPIを適切に設定し、仕事の成果を可視化することも重要です。
6.顧客体験(CX)が悪化する
見込み客への対応ミスが頻発すると、営業プロセスにおける顧客体験(CX)に悪影響をもたらします。顧客体験が悪化すれば見込み客からの信頼を失い、商談の創出は困難になるでしょう。部門同士の連携が不十分な場合、対応ミスが生まれるリスクが高まります。顧客情報や行動履歴の伝達に抜け漏れが発生しやすく、見込み客に対して同じアプローチを繰り返してしまうかもしれません。あるいは、必要な対応が抜け落ち、商談の機会を失うケースも考えられます。部門同士の連携にはツールを活用し、リアルタイムに情報を共有できる仕組みを構築しましょう。
インサイドセールスの立ち上げを成功させるポイント
インサイドセールスの立ち上げを成功させるには、以下6つのポイントを参考にしてみてください。
1.スモールスタートする
インサイドセールスの立ち上げは、スモールスタートがおすすめです。立ち上げ当初の計画通り、一切トラブルなく業務を進められるケースは稀でしょう。最初から大規模に始めると意思決定プロセスが複雑になり、柔軟なトラブル対応や施策の改善が難しくなります。小規模な組織ですばやくトライアンドエラーを繰り返すことで、インサイドセールスの成果を達成しやすくなります。
2.社内の理解を得る
インサイドセールスを新たに設置する場合、社内の理解を得るようにしましょう。インサイドセールスの必要性を理解してもらえない場合、他部門と連携しづらくなったり、適切な人材・予算を確保できなかったりします。事前に社内からの理解を得るためには、意思決定権のある決裁者に立ち上げの計画段階から関わってもらいましょう。社内全体へ早期にインサイドセールスの必要性が浸透するため、周囲からの協力を得やすくなります。
3.関連部門との関係を深める
情報共有ツールの利用だけでなく、定期的に関連部門と相談やフィードバックを行う場を設けましょう。マーケティングにリードの質や属性の変化を伝えれば、今後トスアップされるリードの精度向上が見込めます。フィールドセールスからは、商談前にアプローチしてほしい内容や受注した案件の詳細を教えてもらいましょう。商談へつなぐべきリードの見極めや、アプローチ内容の見直しに役立ちます。こうした多くのメリットを得られるため、関連部門との関係強化は重要です。
4.効果検証と改善を繰り返す
インサイドセールスの費用対効果を評価するには、こまめな効果検証が必要です。インサイドセールスの施策と結果を振り返り、良い成果につながった部分はさらにブラッシュアップしましょう。反対に、上手く成果を得られなかった部分は施策を見直します。改善策を実行して、再び効果を検証しましょう。効果検証と改善のPDCAサイクルを回すことで、インサイドセールスを成長させられます。
5.ノウハウを蓄積する
顧客との対応から得られたノウハウは、必ず記録・蓄積しましょう。インサイドセールス内でノウハウを共有すれば、メンバーの効率的な成長が見込めます。ノウハウを記録する際は担当者の記憶に頼らず、顧客との通話データを振り返るとより確実です。よく聞かれる質問やアポイントにつながった要因、通話が終わった部分を記録し、トークスクリプトに反映しましょう。多くのノウハウが蓄積されれば業務の属人化を防げるため、メンバーの異動や退職があっても業務のクオリティへの影響を最小限に留められます。
6.成功事例を参考にする
インサイドセールスの成功事例を参考にすると、スムーズに組織を立ち上げやすくなります。可能であれば同業他社の事例を探して、インサイドセールスが成功した要因や運用方法を分析してみてください。ただし、他社の成功事例を形だけ自社に当てはめても意味がありません。あくまで参考に留め、自社の商材や課題、顧客層、目的、リソースといった要素に合わせてカスタマイズしましょう。
インサイドセールスを立ち上げるなら一貫した目的設定が大切
インサイドセールスを立ち上げる際は、次の4つの手順で実行しましょう。
1.方向性の決定
2.シナリオの作成
3.KPIの設定
4.人材確保・教育
インサイドセールスをただ発足しただけでは、失敗するリスクが高まります。単なるテレアポ部門になってしまったり、新規リードを育成できなかったりする可能性があります。失敗を避けるためには、一貫した目的設定が大切です。インサイドセールスを立ち上げる目的から考え、一定の方針のもとに施策を立案・実行していきましょう。
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