2024年12月10日公開
最終更新日:2024年12月10日
インサイドセールスの平均年収とは? 求人の特徴や転職・キャリアアップを成功させるポイントを解説
電話やメールといった、非対面で営業活動を行うインサイドセールスが注目されています。フィールドセールスや他の職種からインサイドセールスへの転職を検討している人の中には「平均年収はどのくらい?」「求人によって年収は異なる?」といった疑問を持つ方も多いかもしれません。
今回の記事では、インサイドセールスの平均年収や求人の特徴を解説します。年収アップを目的とした転職やキャリアアップを成功させるためのポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
▼インサイドセールスの概念、基本的な考え方や活動内容についてはこちらの記事で総合的に解説しています。
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
インサイドセールスの平均年収
転職エージェントサービスにおける実際の求人情報の傾向において、2024年現在のインサイドセールスの年収の相場は概ね350〜700万円、平均年収は490万円程度となっています。インサイドセールスの求人情報でみられる給与額は、同じ営業職関連である既存営業や企画営業と比較しても高めの金額となっている傾向がみられます。
国税庁が調査のうえで発表している「令和4年分民間給与実態統計調査(※1)」によると、営業職にかぎらず全業種においての給与所得者の平均給与は、458万円となっています。つまりインサイドセールスの平均年収は、全業種の平均年収からみても充分高めであるといえるでしょう。
インサイドセールスの求人の年収面での特徴
インサイドセールスはSaaSビジネス業界やサブスクリプション型サービスの成長にともなって台頭した、注目度やニーズが高い職種です。新しくインサイドセールス部門を立ち上げる企業も多いため、多くの求人も出ています。
求人の内容によってインサイドセールスの平均年収は異なります。年収面でのインサイドセールスの求人情報の特徴を解説します。
未経験
インサイドセールスになるには特別な資格などは不要で、未経験者でもなれます。実際に営業職のほか、IT業界や不動産業界など、さまざまな分野から新たにインサイドセールスへ挑戦する転職者も多くなっている状況です。また、同じ営業職であるフィールドセールスやマーケティング、コンサルタントなどで得たスキルや実績を活かして、インサイドセールスに転職し活躍しているというケースも多くみられます。
未経験者のインサイドセールス求人の平均年収はおよそ350〜400万円程度です。入社当初は年収は低めであった場合でも、インサイドセールスとしての業務経験を積んでいくことで、年収アップを充分に見込めます。
経験者採用
インサイドセールスの業務経験者を対象とした求人の平均年収は、およそ360万円~540万円ほどです。金額幅のなかの低いほうの年収は未経験者の求人と差があまりないものの、高額提示されているケースでは100万円以上の開きが出ます。経験者の場合、未経験者よりも難しい案件を任されることが多く、商談などの成果を出したり、営業目標を達成したりといった際に賞与に反映されたり、インセンティブを受けたりすることがあるためです。
特にインサイドセールスは新しい職種のため経験者が少なく、仕事や業務のノウハウが確立していない企業も多くあります。そのためインサイドセールスの経験者なら、経験を活かして年収アップのための転職、および条件交渉も実現しやすいでしょう。
マネージャー職
インサイドセールスは採用ポジションによっても年収が変動します。マネージャー職採用の求人の場合の平均年収は、およそ480万円〜1,080万円ほどとなっています。リーダーやマネージャー職になると、顧客への営業活動を行うだけでなく、部署に属するメンバーの管理や育成、教育といった役割も担うようになります。業務内容や対応すべきことが増える分、年収もアップする傾向にあります。
インサイドセールスメンバーからリーダーやマネージャー職へのキャリアアップを目指すことで、大きな年収アップも見込めるでしょう。
大手企業・外資系企業
採用先の企業の規模や性質によっても、インサイドセールスの年収は変動します。国内の大手企業および外資系企業のインサイドセールスメンバーの求人の平均年収はおよそ500〜700万円です。ポジションや経験年数によっては、700万円以上も目指せるでしょう。
国内の大手企業や外資系企業はインセンティブを導入しているところも多くあり、インサイドセールスとしての成果を出すことで給与にも反映される可能性があります。インサイドセールスとしての経験や実績を積んだうえで、このような他の企業へ活躍の場を移すことでも、大きな年収アップが見込めるでしょう。
インサイドセールスの年収が高い理由
インサイドセールス職は、他の営業職や全職種の平均年収と比較しても年収が高いことが分かりました。インサイドセールスの年収がなぜ高いのかの主な理由を解説します。
購買側の意識の変化
ビジネスはもちろん日常生活でも非対面非接触が推奨されたコロナ禍以降、買い手側が非訪問営業を望むケースが増加しています。CRMやマーケティング関連ツールの開発・販売でも知られるHubSpot社が提供している「日本の営業に関する意識・実態調査2024データ集(※2)」によると、「訪問型営業と非訪問型営業どちらのほうが望ましいか」という買い手側への質問に対して、2020年の段階で「非訪問接触のほうが望ましい」という回答が「訪問型営業のほうが望ましい」を上回りました。その後、コロナ禍の落ち着きに伴って僅かな減少傾向が続いているものの、非訪問接触を望む数はいまだ一定数あり、「どちらでもよい」と答えた割合も全体の38.8%を示しています。
コロナ禍を経たことを機に、営業の手法も必ずしも訪問型販売にこだわる必要はなくなったと言えるでしょう。非対面での営業方法が一般的なこととして世間に浸透し、インサイドセールスでの営業手法に関する抵抗感が少なくなったことも、インサイドセールスのニーズが高くなっている理由のひとつです。
※2 出典:HubSpot「日本の営業に関する意識・実態調査2024」
企業のインサイドセールス導入率が増加
HubSpot社の同調査における、インサイドセールス導入率の調査結果では、売り手企業全体の41.7%がインサイドセールスを導入していることが分かりました。調査開始の2020年からインサイドセールスの導入率は上昇傾向が続いており、設置が広まったことによって一旦導入企業の増加スピード自体は鈍化しているものの、今後も増加する傾向とみられています。
企業のインサイドセールス導入増加にともない、その分インサイドセールスの求人も増加しています。株式会社リクルートが行った「新しい営業職」に関する求人と転職の動向調査(※3)によると、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスを合わせた「新しい営業職」への転職者は、2020年から2022年の3年の間で3.29倍に増えました。さらに「新しい営業職」の求人数についても2019年度比で2.62倍に増加、カスタマーサクセスという職種に絞ると2019年度比で3.58倍、インサイドセールスという職種に絞ってみると1.71倍に増加しています。
企業の非対面特化の営業部門、およびインサイドセールス導入率や求人数が上がっており、多くのインサイドセールス人材が求められていることも、年収が高くなっている背景にあると言えるでしょう。
インサイドセールスを導入しやすい環境が広がった
コロナ禍においての非対面非接触の推奨をはじめ、Web会議システムや営業管理ツールなどの台頭によって、インサイドセールスを運用しやすい環境の整備が促進されました。これからインサイドセールスを発足したい企業も増加しているものの、インサイドセールスの経験者はまだまだ市場には少ないという状況にあります。経験者が少なくノウハウが蓄積されていない、さらに人手そのものが足りないことから、希少性の高いインサイドセールスという職種は年収が高くなっていると言えるでしょう。
インサイドセールスの職種としての市場価値の向上
インサイドセールス職種で得られる経験そのものの市場価値も上がっています。
インサイドセールスでは、顧客への対応として、マーケティングとセールスに求められるような思考力も、スキルとして必須です。さらに顧客視点に立っての相談やヒアリングを実施し、顧客へ明瞭な成功体験を与え、利益につなげるという役割を持つカスタマーサクセスとも関連性が高いと言えます。カスタマーサクセスと同様、インサイドセールスにも課題解決力や分析力、ヒアリング力などが求められるためです。インサイドセールスは、幅広い職種で通用する多くの経験やスキルを取得できる職種でもあります。
インサイドセールスそのものが歴史が浅く、インサイドセールスの経験者の需要が高まっていることに加えて、多くのスキルや経験を得られる職種であることも、ニーズを高めている理由と言えるでしょう。
▼インサイドセールスの将来性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスの将来性や市場価値は高い? 身に付けられるスキルやキャリアパスを解説
インサイドセールスの給与計算の方法
インサイドセールスの給料は、一般的に基本給+インセンティブから構成されていることが多くなっています。インサイドセールスの年収にも影響する、給与計算方法の例を解説します。
基本給とインセンティブのバランス
一般的にみると、年収の20〜50%ほどをインサイドセールスのインセンティブとして設定している企業が多くみられます。平均的なインサイドセールス職では、年収400万円程度が基本給として設定されつつ、商談数や成約率に応じて、年間100万円以上のインセンティブを得られる可能性が高くなっています。
インセンティブの構成要素
インセンティブが発生する要素としては、一般的には以下の通りです。
・アポ獲得数
・商談数
・成約数
それぞれの要素に対してKPIが設定され、成果や達成度合いによってインセンティブが支給されます。たとえば月間10〜15件の商談成立、月間1〜3件の契約成立などのKPIを上回ると、基本給に加えてインセンティブやボーナスが支払われるというかたちです。
インサイドセールスのキャリアパス
インサイドセールスはさまざまなキャリアパスを描ける職業です。おもなインサイドセールスのキャリアパスを解説します。
上位職へ昇格する
インサイドセールスの営業活動で成果を積み上げて、チームリーダーや部門のリーダー、マネージャーなどの上位職を目指す方法です。上位職になると、メンバーの育成や業務効率化、見込み顧客の発掘などの新しい業務に携わることになります。業務が増えるぶん負担も増えますが、それにともない年収アップも見込めるでしょう。
他の営業職にキャリアチェンジする
インサイドセールスで身につけた知識や経験を活かして、フィールドセールスやカスタマーサクセスへキャリアチェンジする方法です。フィールドセールスは、インサイドセールスが獲得した商談を引き継いだうえで、対面での交渉、提案、クロージングを担う営業担当者です。外資系企業では同一社内でのインサイドセールスからフィールドセールスへのキャリアチェンジも一般的となっています。
カスタマーサクセスは契約後の顧客に、自社製品やサービスを通じて成功を提供する職種です。製品の継続利用やサービスの継続契約、および解約防止のために、顧客満足度の向上や既存顧客維持率を上げるのが目的となっています。カスタマーサクセスでは、インサイドセールスの経験で得た顧客のニーズを発掘するスキルや、営業活動でのトークスキルなどが活用できるでしょう。
マーケティングにキャリアチェンジ
インサイドセールスと連携を取るマーケティング職へのキャリアチェンジも選択肢となります。インサイドセールスを通じて得た顧客のニーズを発掘するスキルや、顧客の選定、適切な提案やフォロー、サポートなどの力を、そのままマーケティングでも発揮できます。インサイドセールスでメルマガやホワイトペーパーなどの見込み顧客向けのコンテンツ作成を行っていた場合は、マーケティングの企画立案にも役立つでしょう。
新規サービスや新規事業の立ち上げ
顧客と話す機会が多いインサイドセールスの立場を活かして、顧客ニーズを把握し新規事業やサービスを企画・立案する立場にもなれます。インサイドセールスから新規事業立ち上げへのキャリアチェンジを目指したいなら、顧客への徹底したヒアリングと、ヒアリングを元にした意見の収集とデータ化などを日頃から積極的に行うなどして、スキルとデータを蓄積しておきましょう。
▼インサイドセールスのキャリアパスについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスのキャリアパスを徹底解説!目指す人に必要なスキル、キャリアアップのために必要な経験・身に付く能力も紹介
インサイドセールスの年収を上げる方法
インサイドセールスとしての年収を上げる方法を解説します。
マネージャーやリーダーへ昇格する
もっとも一般的な方法が、インサイドセールスでの営業成果を上げて、上位職へ昇格する方法です。役職が上がるとそのぶんだけ新たな役割が追加され、業務範囲と責任が増えることとなりますが、年収アップにもつながります。会社規模にもよりますが、インサイドセールスのリーダーやマネージャーとなることで、年収1,000万円を目指すことも可能です。
成果主義の企業へ転職する
インサイドセールスの場合、年収アップの構造が年功序列型となっているか、あるいは成果報酬型かという点が企業によって異なります。年功序列型の場合、年齢が若い人がインサイドセールスで成果を上げても収入に直結しないことがあります。この場合は、成果報酬型の企業への転職を目指しましょう。成果報酬型の企業でインサイドセールスの成果を出し続けることで、インセンティブによる大きな年収アップが見込める可能性もあります。
インサイドセールスへの転職やキャリアアップを成功させるポイント
年収アップを目的にインサイドセールスへの転職やキャリアアップを成功させるためのポイントを解説します。
転職先の企業をリサーチする
年収アップを狙って同業他社のインサイドセールスへ転職をしたのにもかかわらず、年収が下がってしまうことがあります。または年収そのものは上がったものの業務の数が多すぎて負担が大きい、給与面以外の待遇が悪いなど、転職そのものが失敗してしまうこともあるかもしれません。転職に失敗しないためには、企業のコーポレートサイトや採用ホームページなどをしっかり確認し、応募先企業へのリサーチを徹底して行うようにしましょう。
充分に経験を積んでから転職する
インサイドセールスは未経験からなれる職業ですが、未経験者は経験者よりも年収が低くなる傾向にあります。インサイドセールス、またはインサイドセールスの業務に役立つフィールドセールスやマーケティング、カスタマーサクセス職での業務経験を積んでからインサイドセールスへ転職する方法もあります。インサイドセールスの経験、または他の職種で培ったスキルを活かして活躍できることを、効果的にアピールしましょう。
インサイドセールスや製品の知識を得る
未経験からインサイドセールスを目指すには、インサイドセールスの概要や業務プロセス、役割など基本的な知識をあらかじめ学んでおきましょう。インサイドセールスの基礎知識に加えて、セールス全般の知識も学んでおけば、顧客への効果的なアピールにも活用できます。
応募先企業の製品やサービス、業界知識についても学んでおきましょう。転職の面接時に業界についての知識を持っていることをアピールできるほか、インサイドセールスとして活動する際に、顧客へ製品やサービスを通じた解決策をスムーズに提案できるようになります。
転職エージェントを活用する
インサイドセールスへの転職を成功させるなら、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントを活用することで、希望の求人を紹介してもらえるため、年収アップが見込める企業へのみ応募するといったことも可能です。あらかじめ希望年収を伝えておくことで、適切な金額交渉を先方と行ってくれたり、自分が持っているスキルや業務経験を活かせるインサイドセールスの求人紹介が受けられたりします。
インサイドセールスはまだ新しい職種のため、インサイドセールスとしての職業紹介に強みを持つ転職エージェントを利用するのがおすすめです。9Eキャリアインサイドセールスの転職支援サービスは業界初のインサイドセールスに特化した転職エージェントです。優良なスタートアップ企業からメガベンチャー企業まで、幅広いインサイドセールス求人を取り扱っています。1人のキャリアアドバイザーが分業制ではなく一気通貫型のスキームによるサポートを提供しています。企業と求職者の両方を1人のキャリアアドバイザーが担当することで、企業のリアルな事情・状況などについての情報を求職者の方へ直接説明できます。
また、応募書類作成や企業ごとの面接対策をはじめとした、徹底した伴走型の支援を提供していますので、面接通過率が向上し、面接の評価向上ひいては提示年収の向上を後押しできます。もちろん、内定後の年収交渉も実施しています。
インサイドセールスでの年収アップを目指そう
インサイドセールスの平均年収や求人面での年収の特徴、年収の計算方法、転職やキャリアアップを成功させるポイントを解説しました。インサイドセールスは導入する企業が増加傾向にあり、インサイドセールスの職種としてのニーズや市場価値も高まっています。
これから年収アップを目的にインサイドセールスへの転職を検討しているなら、特化型の転職エージェントを活用し、自分の希望やスキルにマッチする企業へ応募することが、転職の成功につながります。転職ご検討の方は以下ボタンよりご相談ください。
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