2025年1月26日公開
最終更新日:2025年1月26日
アウトバウンド型インサイドセールスの基礎知識|インバウンド型との違いやメリットを解説
インサイドセールスの手法には、「アウトバウンド型」と「インバウンド型」の2種類があることをご存知でしょうか。アウトバウンド型のインサイドセールスは、新規顧客にアプローチをかけることから、「オンラインの飛び込み営業」と表現されることがあります。
この記事では、アウトバウンド型のインサイドセールスについて詳しく解説します。インバウンド型との違いやメリット・デメリットなど様々な情報を紹介しますので、ぜひ目次も活用しながらチェックしてください。
▼インサイドセールスの概念、基本的な考え方や活動内容についてはこちらの記事で総合的に解説しています。
「インサイドセールス」って何? 定義や役割、職種の特徴や他の営業職との違い、将来性などまとめて解説!
インサイドセールスには「アウトバウンド型」と「インバウンド型」がある
インサイドセールスとは、電話やメールを用いて顧客にアプローチを行う、非対面の営業活動のことです。インサイドセールスは、「アウトバウンド型」と「インバウンド型」の大きく2つに分類されます。
アウトバウンド型インサイドセールスの特徴
アウトバウンド型インサイドセールスは、自社の方から顧客に対して能動的にアプローチする営業手法です。新規顧客の開拓と獲得を目的とし、ターゲットとする顧客に向けて電話やメールで営業活動を行います。そこから顧客と関係性を深め、アポイントや商談の獲得を目指します。
アウトバウンド型インサイドセールスでは、デジタルツールを活用して、これまでに接点のなかった企業に営業をかけるため、「オンラインの飛び込み営業」と表現されることがあります。
インバウンド型インサイドセールスの特徴
インバウンド型インサイドセールスは、顧客側からの問い合わせや資料請求をきっかけに営業活動が始まります。自社サービスに関心を持った顧客と継続的にコミュニケーションを取り、購買意欲を高めていきます。アウトバウンド型と同様に、最終的な目標はアポイントや商談の獲得となります。
インバウンド型インサイドセールスでは、顧客が自社を認知している状態、あるいはサービスに関心を持っている状態でアプローチをかけるため、効率的な営業活動が行えます。
アウトバウンド型とインバウンド型の違いとは
同じインサイドセールスでも、アウトバウンド型とインバウンド型には様々な違いがあります。具体的に何が違うのか、それぞれの特徴や異なる点を表で比較してみましょう。
両者の大きな違いは、営業活動の起点です。アウトバウンド型は、営業をかけるターゲットをリサーチしてリスト化し、新規にアプローチするところからスタートします。自社サービスに関心を示す顧客を見つけたのち、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)を展開していきます。
一方、インバウンド型の営業活動は、顧客からのアクションを起点に始まります。自社に問い合わせや資料請求をした顧客とコンタクトをとり、リードナーチャリングを通じて購買意欲を高めていきます。
リードナーチャリングを経て商談化を目指す点は両者とも同じですが、営業活動の起点となる部分には大きな違いがあります。
アウトバウンド型インサイドセールスのメリット
アウトバウンド型インサイドセールスには、以下のようなメリットがあります。
・能動的な営業活動ができる
・潜在顧客の掘り起こしができる
・商談につながりやすい
・多くの顧客にアプローチできる
・移動時間や交通費が発生しない
それぞれ詳しく解説していきます。
能動的な営業活動ができる
アウトバウンド型インサイドセールスの強みは、顧客に対して能動的に接触できる点です。事前にリサーチを行い、自社サービスに興味を持つであろうターゲットを選定してアプローチできます。つまり、営業をかける顧客を自社で選べるということです。精度の高い営業リストを用意できれば商談に持ち込みやすくなり、効率的に成約へとつなげられます。
自らターゲットを選んでアプローチできる点は、インバウンド型インサイドセールスとの大きな違いでもあります。営業活動に力を入れれば入れるほどチャンスが生まれ、商談や成約の数を増やすことができます。
潜在顧客の掘り起こしができる
潜在顧客を発掘できることも、アウトバウンド型インサイドセールスならではのメリットです。潜在顧客とは、利用ニーズはあっても自社サービスをまだ認知していない顧客層のことを指します。言い換えれば、もともとのニーズがあるため、自社の存在やサービスの良さを知ってもらうことで成約につなげられる可能性があります。
アウトバウンド型インサイドセールスを導入すれば、幅広い層にリーチすることが可能です。これまであまり接点のなかった業界や分野にも販路を広げられるため、売上拡大や事業の発展につながることが期待されます。
商談につながりやすい
アウトバウンド型インサイドセールスが軌道に乗れば、多くの商談の機会を得ることができます。効率的に成果を上げるためには、質の高い営業リストの作成が必要です。
多くの顧客に手あたり次第アプローチをかけても、商談につながる確率は低くなります。戦略的に営業リストを作成することが求められ、マーケティングデータや過去の成功例をもとにターゲット選定を行うことが重要になります。
アウトバウンド型インサイドセールスの成果は、営業リストの質に左右されます。入念な情報収集と分析によって、商談化率を向上させることが可能です。
多くの顧客にアプローチできる
アウトバウンド型インサイドセールスは能動的な営業スタイルなので、人員を多く配置すれば、より多くの顧客にアプローチできます。広範囲な営業活動によって自社サービスの認知を広げられます。
アウトバウンド型は、インバウンド型のように顧客からの接触を待つ必要がありません。そのため、自社の戦略に応じて営業活動の規模を拡大させることができます。
移動時間や交通費が発生しない
アウトバウンド型インサイドセールスはリモートで行う営業活動なので、従来型の営業のように顧客を訪問する必要がありません。電話やメール、オンラインツールなどを活用して、コストをかけずに営業活動が行えます。移動時間や交通費といった営業コストを削減できることは、アウトバウンド型だけでなく、インバウンド型にも共通するメリットです。
アウトバウンド型インサイドセールスのデメリット
アウトバウンド型インサイドセールスには、デメリットや注意点もあります。代表的なものとして、以下が挙げられます。
・精度の高い営業リストの準備が必要
・成果を上げる仕組みやノウハウが求められる
・強引なセールスと受け取られる可能性がある
・高い営業スキルが求められる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
精度の高い営業リストの準備が必要
前述したように、アウトバウンド型インサイドセールスの成果は、営業リストの質に大きく左右されます。営業リストの質が悪ければ、たくさんの顧客にアプローチしても高い成果は見込めません。
アウトバウンド型インサイドセールスを成功させるには、担当者の力量だけでなく、営業リストの精度向上も重要となります。ターゲットの明確化や高度なデータ分析を行うなど、戦略的に進めていく必要があります。
成果を上げる仕組みやノウハウが求められる
アウトバウンド型インサイドセールスは、顧客との接点がない状態からスタートするため、アプローチの仕方が悪ければ簡単に断られてしまいます。アウトバウンド型インサイドセールスを成功に導くには、成果を上げるための仕組みやノウハウが求められます。
社内に十分な知識がない場合は、専門業者や代行サービスの利用も検討しなければなりません。外部リソースの活用にはコストがかかるため、費用対効果を考えた上で導入することが大切です。
強引なセールスと受け取られる可能性がある
アウトバウンド型インサイドセールスは、これまで接点のなかった企業に営業をかけるため、やり方を間違えるとネガティブなイメージを持たれてしまいます。初めてのコンタクトで、強引な印象やあからさまなセールス感を与えてしまうと、当然相手はつながりを拒否します。
新規顧客の開拓には、高度な会話スキルやコミュニケーション能力が必要です。トークスクリプトの最適化や人材育成を強化するなどの取り組みが求められます。
高い営業スキルが求められる
アウトバウンド型インサイドセールスは、担当者の力量が問われる職種です。新規顧客へのアプローチは断られることが多く、話を聞いてもらえる段階まで持っていくだけでも、大変な労力を要します。過去にテレアポやコールセンター勤務の経験があると、比較的スムーズに業務に適応できるでしょう。
アウトバウンド型インサイドセールスの担当者には、成果を出すための精神的な強さと高い営業スキルが求められます。人材の確保や育成も重要な課題となるでしょう。
▼インサイドセールスの全般的なメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
インサイドセールスの役割やメリットとは? 転職時に役立つ知識を詳しく解説
アウトバウンド型インサイドセールスの具体的な流れ
アウトバウンド型インサイドセールスは、実際にどのような手順で進めていくのでしょうか。業務フローの一例を以下に紹介します。
1. 営業リストを準備する
2. 顧客にアプローチする
3. 購買意欲の高い顧客を抽出する
4. アポイントを獲得する
5. フィールドセールス担当に引き継ぐ
各ステップを順番に見ていきましょう。
1. 営業リストを準備する
アウトバウンド型インサイドセールスは、営業リストを作成するところからスタートします。営業リストとは、営業をかけるターゲットをリスト化したものです。BtoBの場合、企業名や業態、住所、電話番号、メールアドレス、担当者情報などが記載されます。ターゲットの選定には、自社サイトのアクセス解析やリスト作成ツールの活用、インターネットを利用した調査などが用いられます。
なお、営業リストの作成は、社内のマーケティング部門が担うケースが多いです。営業リストはインサイドセールス部門に引き継がれ、そこから顧客へのアプローチが始まります。
2. 顧客にアプローチする
インサイドセールスの担当者が、営業リストに基づいて顧客にアプローチします。アプローチの主な手段は、電話やメールです。セールストークやメールスクリプトを活用し、自社サービスに関心を持ってもらえるようコミュニケーションを図ります。
新規顧客開拓は難易度が高く、一度目のアプローチでアポイントにつながることは稀です。断られたり、良い反応を得られなかったりするケースが殆どといえます。成果を急がず、定期的にコンタクトをとったり、資料送付の提案をしたりするなど、コツコツと次につながる工夫をしていくことが大切です。
3. 購買意欲の高い顧客を抽出する
リードナーチャリングを通じて、顧客の関心や購買意欲を高めていきます。確度が高まった顧客には、アポイントを打診します。
顧客の購買意欲を測るには、リードスコアリングが有効です。リードスコアリングとは、顧客の属性や行動をもとに購買意欲を数値化し、優先順位を付ける手法のことです。購買意欲の高い顧客にリソースを集中することで、効率的にアポイントを獲得できます。
4. アポイントを獲得する
アポイント獲得後、商談の日時や場所の調整を行います。商談をフィールドセールス部門へ引き継ぐ場合は、顧客にその旨を伝えます。最後に丁寧にお礼の言葉を伝えることも大切です。
5. フィールドセールス担当に引き継ぐ
顧客をフィールドセールス部門に引き継ぐ際は、しっかりと情報共有を行うことが重要です。商談を成功させるためには、顧客が抱える課題やニーズ、アポイントに至るまでの経緯などを細かく把握しておく必要があります。インサイドセールスで得た情報を正確に引き継ぐことで、商談の成功率を高められます。
なお、部門間の情報共有には、SFAやCRMといった営業支援ツールが用いられますが、担当者同士が直接口頭で情報を共有し合うことも重要になります。
アウトバウンド型インサイドセールスは成果を出すのが難しい?
アウトバウンド型インサイドセールスの懸念点として、新規顧客開拓の難易度が高く、多くのアクションが求められることが挙げられます。アウトバウンド型インサイドセールスは、これまで接点のない顧客に自社を認知してもらうところから始まるため、インバウンド型よりも多くのコンタクトとアプローチが必要です。断られる回数や上手くいかないケースも多くなります。
とはいえ、アウトバウンド型インサイドセールスでも効率的に成果を上げる方法は存在します。それは、精度の高い営業リストを作成することです。戦略的にターゲットを絞り、良質な営業リストを用意できれば、多くのアポイントや成約を獲得できます。アウトバウンド型インサイドセールスを成功に導くためには、営業リストの質と担当者のスキルが重要な要素となります。
インサイドセールスにはアウトバウンド型とインバウンド型があることを頭に入れておこう
この記事では、アウトバウンド型インサイドセールスの特徴やインバウンド型との違いについて解説しました。インサイドセールスには、アウトバウンド型とインサイドセールス型があり、営業活動の起点が異なります。アウトバウンド型は新規顧客に対して、インバウンド型は自社サービスに既に関心のある顧客に対してアプローチを行います。
インサイドセールスへの転職を検討する際は、アウトバウンド型とインバウンド型のどちらの営業スタイルなのか事前に確認しておくといいでしょう。事前に詳細な求人情報を得られる転職エージェントの活用もおすすめです。
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